検 閲

 検閲という言葉は、“検閲”と書くのが本来の字体だ。これを現在中国では2字とも簡体字で「検閲」と書き、日本では検の1字だけ略字にしているが、字体の変化と同様に、その意味にも相当の隔たりが生じてしまった。

 今世紀の初めごろ、中国で検閲と言えば、第一に軍隊や儀仗隊の観閲を指し、第二に郵便物、出版物、映画などの審査を指した。だが現在では、第一の意味だけに使い、第二の場合は審査と言う。

 日本では逆で、もっぱら第二の方だけが使われ、第一の方はほとんど消滅してしまったらしい。

 だから日本人が「厳しい検閲」と言うとき、日本語のあまりわからない中国人は、「日本の自衛隊は厳しいんだな」とまず思い、それではどうも話のつじつまが合わないとわかって、やっと審査の意味だと気がつくのである。




 
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