裁 判・審 判

 「裁判」という言葉は今世紀初めごろでは、法律とスポーツの両方に使われていた。一方「審判」という言葉は、中国ではずっと法律用語だった。すでに宋代に「審刑院」という役所があり、もっぱら重要な事件を取り扱った。この言葉は日本ではスポーツでしょっちゅう使っているが、中国語ではその用法はごくまれだった。

 今日、「裁判」と「審判」の使われる分野ははっきり分けられている。ところが面白いのは、中国語と日本語において、それぞれの使い方が全く逆になっていることだ。裁判員と言ったら、中国人はすぐアンパイアを指すものと考えるが、日本人の脳裏にはいかめしい法服を身に着けた裁判官の姿が浮かぶ。そして審判員の場合、中国人はそれを日本で言う裁判官と理解するが、日本人にとってはストライクとかボール、あるいはアウトとかセーフをコールするアンパイアの姿を思い浮かべるのが自然だろう。

 「同に異なり、異に同あり」。中日両国の文化が面白くからみ合ったところではある。




 
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