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走った、跳んだ、戦った

王浩=文 馮進=写真

9月6日から17日まで、11日間にわたって開催されたパラリンピックは、競技、設備、スタッフ、あらゆる面でオリンピックに劣らないすばらしいスポーツ大会となった。



障害をものともせず

9月8日の午後、国家体育場(通称「鳥の巣」)に大きな拍手が沸き起こった。男子100メートルT11クラスの選手が登場したのだ。T11は視覚障害の選手が参加するクラスで、選手たちはガイドライナー(伴走者)とともに走る。  

ピストル音が鳴り、選手たちとガイドライナーは同時にスタートを切った。各ペアの手はロープでつながれている。二人の走るリズムは少しの乱れもなく、ゴールまで高速で駆け抜けた。

中国代表団のなかには盲導犬をつれた選手もいた(写真・趙渓)

北京の中華世紀壇で行われた聖火リレー


視覚障害者は聴覚と触覚を通して、外の世界を感じる。視覚障害の選手がコースを全力で走るためには、ガイドライナーとの緊密なコンビネーションが欠かせない。観客たちはそのことに感嘆した。11秒台前半という驚くべきスピードに、大きな拍手と歓声が起った。

9月10日、同じく「鳥の巣」で女子200メートルT44クラスの決勝が行われた。左足のすねに障害があり、鋼板で支えて出場した米国のホルメス・エイプリル選手は、レースの途中で転倒し、顔面を地面にぶつけてしまった。

激しい転倒だったため、顔面からの出血はひどかった。しかし再び立ち上がり、両手で顔を押さえると、少しふらつきながらもゴールを目指した。レースが終わると、いっしょに走ったほかの選手たちが彼女のもとへやって来て、「ケガは大丈夫か」と声をかけた。このとき、「鳥の巣」には雷鳴のような拍手が沸き起こった。

観戦していた北京市のある高校生は、「とても感動しました。障害をもつ選手たちの気力やパワーはすごい」と感想を述べた。

応援に熱が入る観客たち 「福牛・楽楽」と記念写真をとる観客たち


パラリンピックの競技会場では、すべての選手がすばらしい活躍を見せた。競泳場では、両腕のない選手が両足だけでゴールに向かって泳いだ。目標球に自分のチームのボールを近づけて得点を競う競技であるボッチャの会場では、脳性マヒの選手が震える手でボールを投げた。五人制サッカーの会場では、視覚障害の選手が手慣れたプレーでゴールを決めた……。各会場で繰り広げられたあらゆるシーンが、見る者の心を打った。

パラリンピックは、スポーツを通して障害者の心身を治療することを目的として、英国の医師たちが始めたスポーツ大会だ。今では世界の障害者スポーツの一大大会となり、障害者たちはこれを通して自分自身を治療すると同時に、社会に自分たちの生きるパワーを示している。

「パラリンピックをオリンピックと同じようにすばらしいものに」。これは、北京がオリンピック招致の際にした約束だ。

北京は、国際オリンピック委員会(IOC)の規定に準じ、ひとつの組織委員会がオリンピックとパラリンピックの両方を主催する初の都市となった。オリンピックの準備を始めると同時に、パラリンピックについても十分に考慮した。

障害者が車に乗るのを手助けをするボランティアたち

オリンピック公園の中で記念バッジを交換する人々



例えば、競技会場はバリアフリーを考えて建設した。すべての会場でバリアフリー化を目指した。交通の面では、600台のバリアフリーバスを運行させ、60台のタクシーを障害者が乗車しやすいように改造した。

スタッフの面では、4万人以上のボランティアを各分野に配置した。パラリンピックのボランティアの人数はオリンピックに比べると少ないが、オリンピックでもボランティアを経験した人が多い。彼らは専門的な訓練を受け、適切なサービスを提供した。陸上競技のある審判員は、「パラリンピックの陸上競技の審判員は216人、オリンピックと変わりません。レベルもオリンピックに劣りません」と話した。

開会式もすばらしいものだった。聖火の最終点火者の侯斌さんは、ロープをしっかりと握り締め、車椅子に乗ったままで高さ40メートル近くの点火台まで懸命に登った。彼が点火した瞬間、世界中の人々は障害者の力に感動したことだろう。

閉会式のパフォーマンス

閉会式で、マスコットの「福牛・楽楽」と名残惜しそうに写真をとる選手たち



オリンピックの開会式の壮大なスケールとは異なり、パラリンピックの開会式はファンタスティックな世界が広がり、ヒューマニズムの精神が示された。国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレイヴァン会長は挨拶の中で、「北京パラリンピックはこれまでにない規模で開かれ、参加国・選手や種目数が史上最多です。パラリンピックのひとつの里程標となるでしょう」と述べた。

 

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