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喜怒哀楽の2008年(5) 新しい指導部が誕生 全人大に農民工や新階層も

南昌大学の視察中、学生に語りかける習近平国家副主席(左)

3月上旬、第11期全国人民代表大会第1回会議と全国政治協商会議第11期第1回会議が北京で開催された。年に一回の「両会」はその年の話題になるが、今年の「両会」は代表交代選挙が実施されたためとくに注目を集めた。新しい国の指導グループ、胡錦濤、呉邦国、温家宝、賈慶林、習近平、李克強、回良玉、張徳江、王岐山ら各氏がひな壇に上がった。

高学歴の代表が7割

今年の「両会」代表交代選挙にはいくつかの新しい特徴が見られる。例えば、新しく選出された省クラスの代表の若年化が目立ち、1960年代生まれの人が指導部に入ったこと。学者型の代表の割合が高まり、修士号の学歴を持っている者が七割を占めていること。文科系出身者では、とくに法科系出身の代表が増えていること。共産党員ではない人が要職につくケースが増えていること。これらの代表が両会の代表、委員に選出されたことによって、新風が両会に吹き込まれるだろう。

このほか、「両会」代表、委員の中で、「新階層」と呼ばれる人々もメディアの注目を集めた。中国経済成長の重要な原動力として、「新階層」は10兆元くらいの資本を所有、または管理し、彼らの地位も声もますます無視できなくなっている。

農民工代表に話題が集中

農民工代表の朱雪芹さんが全人代代表として初めて発言席に向かった

さらに、もっとも注目を集めたのは、三人の農民工が代表に当選したこと。「農民工」とは農村から都市に出稼ぎにいく農民のこと。彼らは土地を離れ、都市でもあまり優遇されることがないものの、都市の発展や市民生活のために欠かすことのできない存在である。現在、中国には2億人近くの農民工がいる。彼らの権益の代表者として、今年の全人代は3人の農民工代表を受け入れた。45歳の重慶市の建築労働者康厚明さん、江蘇省出身のある服装会社の責任者である朱雪芹さん、四川省出身の胡小燕さん。

中国の最高権力機関・全人代に、初めて農民工が入って、参政することになった。中国社会主義民主政治発展の、一里塚のような事件だと言える。彼らの背後には、土地を離れ、都市で出稼ぎする2億人の農民工がいる。農民工という特別な集団は、中国の「改革・開放」にもっとも貢献したグループのひとつである。今回初めて「両会」で自分の願いや意見を直接述べることができた。彼らが選ばれたということは、政府が彼らの特殊な役割を十分に承知していることを意味する。

「改革・開放」政策のこの30年で、中国の社会階層が大きく変化し、利益の多元化が多様な表現形態を生んでいる。このような時代だからこそ、農民工代表や新階層代表が入ることによって、社会の各階層がそれぞれ自分の政治代弁人を持つことになるわけである。(0812)

 

人民中国インターネット版 2009年1月7日

 

 

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