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気候変動への対応 期待される中国の取り組み

 

張雪=文

7月3、4日、上海万博「環境の変化と都市の責任」フォーラムが江蘇省南京市で開催された。10以上の国と地域から政策決定者、都市計画関係者、建築設計士、企業家たちが参加して、環境変化などの問題に対する共同の取り組み方について、意義深い交流が行われた。また、中国自身の気候変動に対する取り組み、都市の発展計画及び未来の発展の方向性などの問題に対する姿勢と方法についても、中国側の関係者と参加各国、各地域の機構及び関係者との間で交流・討論が行われた。

全国の資源枯渇都市の中で、第2グループに分類されている四川省華鎣市は、従来の石炭、セメントなどの資源型企業を廃業、休業、合併させ、機械加工、農業副業生産物の加工や旅行業などのCO2削減環境保護事業に力を入れ始めた(新華社)

フォーラムでの話題が、中国の気候変動に対する取り組み方に及んだ際に、国家発展・改革委員会気候変動対応司(局に相当)の孫翠華副司長は、『気候変動に関する国際連合枠組み条約』と『京都議定書』は、現在すでに国際社会が公認する気候変動への取り組み方に対する主潮であり、「共通だが差異のある責任」の原則は各国間協力の基本であり、実際、中国は持続可能な発展という指導原則の下で、気候変動に対する取り組みを一貫して堅持し、2006年には温室効果ガス排出量制限を第11次5カ年計画(2006~2010年)内に盛り込み、2007年には気候変動に対する取り組みを中国共産党第17回全国代表大会の報告書に記載するなどして、気候変動に対する取り組みを極めて重視していることを示した。

これと同時に、エコロジーを意識した今回の上海万博で、中国の市民たちは改めてCO2排出量を減らす生活理念をしっかり認識し、海外からやって来た人々にとっても、中国を再認識する良い機会となった。国連のアヒム・スタイナー副事務総長は講演の中で、上海の公共交通機関に対して高い評価を示し、「上海は現在すでに大規模な地下鉄交通網を持つようになり、2020年には上海はあるいは世界最多・最長の鉄道交通を持つ都市になる可能性もあり、これはパラダイムの転換であり、エコロジー経済の急速な成長を実現したものである」と語った。また、「エコ外出」に話題が及ぶと、中国国家エネルギー局の張国宝局長は、「我々は次世代エコカーの使用を奨励し、各種公共交通機関の発展を最優先している」と述べた。

今日、中国は高度経済成長期にあり、エネルギー消費もそれとともに加速度的に増加している。環境保護という基本原則の下、中国経済の成長目標を如何に達成し、従来型経済成長モデルからエコロジー経済型成長モデルへの転換を如何に順調に完了させるかは、中国政府の政策決定者が直面する重要な課題となっている。これに対して、中国は省エネ・排出ガス削減を各級政府の業績を評価する重要な基準とし、各地の産業構造の転換、次世代エネルギーの発展、省エネなどの各分野で活発な研究を行い、実質的な活動を展開している。クリーンエネルギー分野では、水力発電、原子力発電、風力発電、太陽光発電などの活用の急速な発展を実現し、昨年の水力発電設備容量は1億9700万キロワットで、世界第一位となった。

掲げたCO2排出量削減目標は、現在の中国の国情と発展段階を鑑みれば、大変な努力を要する。任重く、道は険しいが、中国の取り組みは各方面で注目されている。

 

人民中国インターネット版 2010年10月8日

 

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