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午前零時に売り切れ

 

ネットショッピングの商品の仕分けに追われる宅配便の事務所(新華社)

11月11日は「光棍節」という今風の「節句」。日付の数字が全部「一」、ここに意味があるのです。「一」は「棒」‐中国語は棍棒の「棍」‐に似ているので、中国では近年、この日を「棒だけの日」という意味の「光棍節」と呼び、さらに転じて「独身デー」として、未婚の男女を対象にしたさまざまなパーティーやフェスティバルが盛んに開かれます。メーカーにとっては若者をターゲットにした最高の商機です。昨年の「光棍節」はその頂点に達し「ネットショッピング狂想曲」が全国の若者をとりこにしたようでした。

その半月前から、中国で有名なeコマース「天猫ネット」は「光棍節」イベントに参加する商品の中には、五割引もあるという割引情報をアップし始めました。

筆者も前の日に2着の衣類をショッピングカートに入れて、11月11日の朝、割引価格で買うつもりでした。ところが、びっくり仰天。その日、午前1時に友達からメールが来て、「天猫」はすでにマヒ状態で、銀行のネットバンキングにもアクセスできない、というではありませんか。私は大急ぎで、パソコンを開いてみると、学生時代の同級生やいろいろな友達が、同じような事情を伝えてきていました。これまでにこんな真夜中に、しかもみんなそろってネットショッピングをしたなどということは聞いたこともありませんでした。さらに驚いたのは、中日関係が緊張し、閑古鳥が鳴いていたはずのユニクロの割引商品がわずか2時間で売り切れたことでした。

一昔前だとバーゲンセールの売り場に黒山の人だかりができ、押すな押すなの大盛況でしたが、それがそっくりそのままネットに移ってきたのでしょうか。

関係者によると、当日午前零時の最初の1分間で、一千万人のユーザーが「天猫」に殺到し、10分後の売上げは2億5000万元(1元は約12円)、24時間後には191億元に達したそうです。一社だけでこれほど爆発的な数字ですから、同業他社の売り上げを加えるとすごいことになるでしょう。さらに、「光棍節」でこうですから、中国人が最も大切にしている春節(旧正月、今年は2月10日)を前にeコマース各社はネットサーバーの機能をアップしてユーザーの来襲を心待ちにしていることでしょう。

本誌スタッフが街角やネット上で「えっ!」とか「あれっ!」とか「ホント?」、という新発見を「ウの目タカの目」で探してお知らせします。

編集部記者・高原

 1982年、北京生まれの女性。大学で新聞学を専攻。入社8年目。

コラム「ぶらり旅」などを担当。

趣味は観劇、アジアの伝統芸能。ボロブドール舞踊を練習中。

 

人民中国インターネット版 2013年1月16日

 

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