中国初のメガネをかけた宇宙飛行士・桂海潮氏とは?

2023-05-31 16:15:00

中国有人宇宙事業弁公室によると、有人宇宙船「神舟16号」が今月30日午前9時31分に打ち上げられた。乗組員は景海鵬宇宙飛行士、朱楊柱宇宙飛行士、桂海潮宇宙飛行士の3人となっている。

「神舟16号」の乗組員は今月29日に発表され、そのうちの1人として、36歳の桂飛行士が人々に紹介された。その際、桂飛行士がメガネをかけていることに注意を向けた人もいるのではないだろうか。彼は中国の宇宙飛行士としては初めてとなるメガネをかけた宇宙飛行士だ。

1986年生まれの桂飛行士は、北京航空航天大学宇航学院の学部、修士課程、博士課程で、いずれも航空機設計を専攻し、現在は同院の宇宙船技術講座の教授、博士課程の指導教員を担当している。中国の有人宇宙飛行の任務に就く初のペイロード研究の専門家で、科学や宇宙工学といった分野の専門的な訓練を受け、経験豊富な桂飛行士は主に、宇宙科学実験ペイロードの軌道上での操作を担当する。

2018年に、中国が第一陣となるペイロード研究の専門家を選抜する計画があることを知った桂飛行士は、すぐに申し込んだといい、「大好きな科学研究をいつか宇宙でできたらと夢見ていた。選抜の知らせを知って、迷うことなく申し込んだ」と話す。

ただその過程は想像をした以上に非常に厳しいものだったという。宇宙飛行士の選抜は極めてシビアであり、度重なる選抜を経て、桂飛行士は候補者約2500人の中から選ばれた第3陣となる宇宙飛行士候補者18人のうちの、ペイロード研究の専門家4人の1人にとなった。そしてその4人の中で、高等教育機関に勤務しているのは桂飛行士だけだった。

打ち上げ前の「準備はできていますか?」という記者の質問に対して、桂飛行士は、「今日までスキル、体、メンタルなど、全ての面でしっかりと準備してきたと思う。この任務を遂行できると信じている」と自信に満ちた口調で語った。

雲南の小さな鎮に生まれた桂飛行士が宇宙飛行の夢をかなえるまで 

1986年に雲南省保山市で生まれた桂飛行士が宇宙に行きたいと夢見るようになったのは高校生の時だという。2003年、有人宇宙船「神舟5号」の打ち上げが成功し、楊利偉飛行士が中国初の宇宙飛行士となった時、高校2年生だった桂飛行士は、学校の放送でそのニュースを耳にして、宇宙に魅力を感じるようになったという。

2年後、桂飛行士は、第一志望だった北京航空航天大学宇航学院の航空機設計・工学学科に合格。彼はその年、雲南省から同大学に合格した受験生のなかで、理系の成績がトップだった。

学生時代、桂飛行士は骨身を惜しまず勤勉に勉強する学生で、学部で勉強していた期間、成績は常にトップクラス。推薦で大学院に進学し、博士課程には飛び入学し、2014年に工学博士の学位を取得した。

博士課程で勉強した期間、桂飛行士は基礎理論の研究に没頭し、カギとなる難題にも果敢に挑み、ハイレベルな研究成果を挙げた。その後、海外で博士研究員として研究を重ね、2017年に北京航空航天大学の「卓越百人」青年人材招聘計画の一員に選ばれ、同学院で勤務するようになった。 

航空機設計学科の学生だった桂飛行士が、その教員となるまでの約20年間に積んできた専門的な知識の学習や科学研究の経験が、今回の宇宙飛行任務の下支えとなっていると言えるだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年5月30日

関連文章