国連生態系回復モデルに選ばれた巣湖の湿地管理

 安徽省巣湖管理局によると、「安徽省の巣湖流域の山地・河川・森林・田畑・湖沼・草地・砂地一体化保護および修復プロジェクトーー十八聯圩湿地回復3期プロジェクト」が「国連生態系回復の10年」行動事例に選ばれ、その取り組みが世界に示された。 

 国連環境計画(UNEP)と国連食糧農業機関(FAO)の主導による「国連生態系回復の10年」行動は世界の生態系の破壊と劣化を予防・防止し、改善へと向かわせることに力を入れており、陸地と水域を含む数十億㌶の生態系の回復を目的としている。 

 巣湖は中国の五大淡水湖の一つだ。安徽省合肥市肥東県に位置する十八聯圩湿地は巣湖のほとりの天然干潟・湿地で、現在も巣湖一帯の十大湿地の重要な構成部分となっている。1960年代以降、湖の周辺で田畑が作られ、人口が増加し、汚染が進んだことが相まって、十八聯圩湿地の生態系は脆弱化し、生態機能は危機に瀕した。 

 2017年、合肥市は十八聯圩湿地生態系回復プロジェクトの全体計画を取りまとめ、段階的実施をスタートさせた。そのうち、十八聯圩湿地の中核エリアの3期にわたる修復プロジェクトでは、主に天然湿地に限りなく近づける生態再生措置が取られ、同プロジェクトは20227月末に完成した。 

 第三者技術サービス機構が実施したプロジェクト前後の比較調査によると、2018年には該当エリアで発見された水生植物は22種、鳥類は63種だったが、2022年には水生植物37種、鳥類117種となり、湿地の生物多様性が顕著に向上した。 

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