中国国務院がウイルス感染予防コントロールメカニズムを発表 農産物の安定生産・供給を後押し

 

中国で新型コロナウイルスによる肺炎感染を予防するなかで、一部の地方では農産物の生産、輸送、販売が制約を受けており、養殖企業の飼料供給も不足している。中国国務院は12日、新型コロナウイルスによる肺炎感染の予防コントロールメカニズムに関する通知を発表。「庶民の食生活」を満たすための市長責任制を明確にし、農産物の安定生産と供給を促進する方針を示した。

通知によると、地方政府の責任が強化され、「庶民の食生活」を満たす商品の安定生産と供給が政治的な任務と位置づけられた。「庶民の食生活」を満たすための市長責任制を厳格に実施し、地方政府のなかでも特に市レベルの政府は、管轄地域の野菜、肉、卵、牛乳、水産物などの供給に責任を負い、生産、販売、流通、市場管理、品質確保などを統一的に強化する必要がある。

国務院は、生産地に地元の「庶民の食生活」を満たす商品の生産・出荷を行い、過剰な備蓄と売り惜しみをしないよう求めた一方、販売側には生産地と連携して「庶民の食生活」を満たす商品を調達・供給し、売切れや品切れを防ぐよう求めた。公開ホットラインなどに寄せられた意見に対応して、農産物の安定生産と供給確保における突出した問題を適時に解決するため、形式主義と官僚主義を禁じている。

通知では「庶民の食生活」を満たす商品の生産を強化する方針が示された。大手農家や合作社など規模の大きい経営主体による相互協力、ピークシフト収穫を誘導し、野菜生産の作業員不足や人件費の問題解決を図る。「南菜北運(南方から北方への野菜運搬)」拠点と北方の野菜生産施設での生産を促進するほか、育苗工場を発展させ、野菜の成長サイクル短縮を図り、都市周辺部での早生の葉野菜や発芽野菜の栽培を進める。

さらに、生鮮農産物の輸送「緑色(グリーン)ルート」政策も実施する。穀物、食用油、野菜、肉、卵、牛乳、水産物などの農産物は、感染予防期間の生活必需品として保障対象となり、輸送車両はドライバーの急速体温測定を行うのみで、停車、検査、通行料金などが不要となる優先通行措置が講じられ、地域間の円滑な調達と輸送が促進される上、必要な地方では農産物輸送の積替えエリアを設置することも可能となる。また、農業生産用物資の物流ルート円滑化を通じて野菜、種苗、家畜、家禽、水産種苗、飼料、化学肥料などの農業用物資を輸送する車両の通行を妨げしないようにする。地方政府は、輸送を請け負う企業と車両所有者に対し、補助金を交付することもできる。

  

 「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年2月13日

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