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紫禁城の后妃の暮らしをしのぶ

 

インタビュー②  東京富士美術館 五木田聡館長

――今回の展覧会を主催するきっかけは何でしょうか。

 

日中国交正常化の実現に、民間人の立場で大きな貢献をした池田大作SGI会長が創立した東京富士美術館は、中国との文化交流に特に力を入れています。北京故宮博物院との最初の文化交流は、1995年の「北京故宮博物院名宝展」でした。2008年に開催した「大三国志展」でも故宮から作品をお借りし、好評を博しました。再度故宮の名品を日本で紹介しようという機運が盛り上がり、昨年3月、池田大作会長と程永華駐日中国大使との会見の席上でも本展の話題に花が咲いて、一気に開催の準備に拍車がかかりました。

当初は5月3日からの開催を予定していましたが、東日本大震災が起こりました。日中双方は協議を重ね、故宮側の寛大なご配慮により、本展を中止せず、7月15日、北海道から開催することにしました。

――これまで、どのような中国関連の展覧会を開催しましたか。

これまで、東京富士美術館ほか日本全国で開催した展覧会には、「中国敦煌展」「北京故宮博物院名宝展」「大三国志展」などがあります。また、東京富士美術館の所蔵作品を中国で紹介した展覧会には、「西洋絵画名作展」(北京・中国美術館)「日本美術の名宝展」(香港中文大学文物館)「西洋絵画名作展」(香港芸術館)があります。

展覧会の反応は、すこぶる大きく、たとえば「北京故宮博物院名宝展」の全国巡回展は91万人、「大三国志展」の全国巡回展は101万人を記録しました。日本人は、中国美術を見るとき、そこに日本美術のルーツを感じるのです。

――今回の展覧会は両国の文化交流にどんな役割を果たすでしょうか。

異なる国家、異なる民族、異なる言語、異なる文化。これらの差異を乗り越えて、お互いの良いところを認め合い、友好を結び、平和の精神を共有するには、文化の交流が一番です。とりわけ展覧会は、最も大切にしている文化財を貸与し、また借用するという、人間としての信義にもとづいた行為であり、人間同士の信頼から生まれる友情の結晶です。そこに展示される文化財は、単なるモノではなく、幾多の先人たちが生み出した魂の宝石です。鑑賞者は時代を超えて自らの魂を飛翔させ、自由に先人たちと心の対話をすることができます。ですから展覧会は、民衆の心と心をつなげることができると思います。

 

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