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外も内も一新 中国国家博物館①

 

丘桓興=文 魯忠民=写真

2007年から巨額の国費を投じて改築された中国国家博物館(国博)は北京の天安門広場の東側にそびえている。今年3月、広大な面積を持ち、厳かで風格にあふれ、設備が完備し、豊富な所蔵品を誇る国家博物館がリニューアルオープンし、北京の新名所に加わった。 

現在は中華5000年の文明を一堂に会した「古代中国」の常設展、現代中華民族の奮闘ぶりをひもとく「復興の道」の常設展を見ることができ、特別展として「中国古代青銅器芸術」「中国古代仏像芸術」「中国古代陶磁器芸術」などのほか、ドイツの「啓蒙の芸術」、ペルーの「インカ人の祖先——1〜7世紀の古代ペルー」などの展覧会が観客に歓迎され、新装なった博物館の魅力となっている。

 

宏大荘重で最新機能完備

国博の前身は1912年、教育行政の中央官庁・国子監が設立した「国立歴史博物館設立事務所」。その後、移転、改称を繰り返した。1959年10月、現在地に中国革命博物館と中国歴史博物館が落成し、天安門広場を挟んで向かい合う人民大会堂と呼応して「北京10大建築」の1つに数えられた。2003年に両博物館が合併し、文化部(日本の文部科学省に相当)管轄下にある中国国家博物館となった。

世界で最大

2007年、25億元の国費を投じて、4年間にわたる増改築を決定した。2010年に竣工し、今年3月リニューアルオープンした。

国家博物館の正面は依然として1950年代建築時の面影をとどめ、北、西、南3面の外観も以前のままだ

新館は中国とドイツの一流の設計家がチームを組み、設計した。馬立東・中国建築科学研究院建築設計院長によると、従来の建物の西、南、北の3方は全部残し、中間部と中庭を撤去し、東側に50㍍延長した用地に増築することにしたそうだ。同時に、地下2階、地上4階の増築も行い、建築面積を6万5000平方㍍から、19万2000平方㍍に拡張することにした。この設計は人々に長年親しまれている国博、天安門広場、人民大会堂で構成される一体感を失わせずに、国博の面積を3倍に拡大する構想に基づいて実施された。その努力が報われ、新国博は現在、面積が世界最大だそうだ。

伝統と先進

ある日の午前、記者は身分証明書を提示して無料で入館した。幅広い階段を上り、倣青銅製の西門から入ると、目の前に西ホールが広がり、思わず「広い!」と叫んでしまった。ここは全長260㍍、全幅34㍍で天井までの高さは27㍍で、床面積は8840平方㍍。1本の柱もないため「一望千里」の平原にいる気分だった。 

2011年3月にリニューアルオープンした国家博物館の広々とした西ホール

天井が高く採光がよいため、心地よい印象を与える内部空間

興味を引かれたのは、北門、西ホール、南門を結ぶ南北の軸と、西門、中央ホール、東門を結ぶ東西の軸が交差し、中国伝統文化を象徴する対称の美を作り出していることだった。 

確かに、建築、設計がかもし出す典雅、鷹揚、重厚さは伝統文化に溶け込み、奥深い歴史と文化の含蓄を感じさせ、大国の風格と時代の特性を兼ね備えている。

色彩、質感を含むさまざまな建築要素に伝統文化の特色が散りばめられている。例えば、西門の入り口に設置されている七扇倣青銅大門は、全体に伝統的な文様が施されている。また西ホールの天井には368個の伝統的な「藻井」が吊り下げられている。それぞれ平べったいピラミッド型、自然光線と人工光線を下に向かって均等に拡散するだけでなく、音響効果もあり、大ホールの人声は騒音に聞こえない程度に吸収されていた。 

馬院長は、ドイツのGMP建築会社を通じて、世界各地の博物館の先進的な建築技術と文物の展示方法などの理念を導入した、と語っていた。例えば、改築後の文物倉庫は2万平方㍍の広さがあり、同時に120万点以上の文物を収蔵できる。また、防火、盗難防止、耐震、避雷、防水、防湿、乾燥防止、遮光、汚染防止、防虫、除菌などの設備を整えている。また文物の積み下ろし用の台と密封、専用通路を最高の国際基準に合格した。馬院長は「これで今後、国際的な文物交流を行う際に、文物の引渡し、輸送、保存などハードの技術では全く支障がなくなった」と、誇らしげに説明してくれた。

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