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広州アジア大会へのカウントダウン

 

文=林国本

11月の広州アジア競技大会まであと1カ月余りとなった。北京オリンピックや上海万博の開催で中国は運営、ボランティアのサービス、そしてセキュリティの面でも上海万博での「ソフトとスマイル」と言うスタイルの確立で、ますます国際ビックイベントへの対応の面で円熟度を高めている。広州では台風の季節の合間にいろいろなシミュレーションを行い、万全を期している。

前世紀の新中国成立当初、中国人はアヘン戦争以後の一時期、「アジアの病人」といわれていたことが、ときどき雑誌や新聞で語られてきたが、その後、スポーツを発展させて、国民の健康水準を向上させる努力の甲斐があって、今や「アジアの病人」の汚名を返上し、スポーツ大国からスポーツ強国へということをよく耳にするようになった。

スポーツ主管部門の責任者の発言では、競技諸種目のバランスと、一部種目のグレードアップということが語られている昨今であるが、一スポーツファンの目から見ても、世界的に一流クラスのものがかなりあるし、かつてはブランクと言われていた種目もメダルを取得するところまで進歩をとげたことがはっきり見て取れる。

私も若い頃、スポーツ関係の書籍の翻訳物を日本の出版社から何冊か出したことがあるが、その後数十年時事政治のメディアに勤務し、スポーツはただ観るだけで、ずっとご無沙汰してきたが、北京オリンピック以後また昔取った杵をいじってみようと思って、時事政治以外に、頭を活性化させるためにスポーツ新聞にも、ときどき目を通しており、完全なアマチュアではあるが、「一家言」みたいなものを吐露してみようと考えるに至った。

前出のいわゆるバランスの問題ではあるが、今のところ中国は卓球、バドミントン、体操、飛込みなどでは、世界の強豪と言っても過言ではないし、トレーニング法などでは、他国の追随を許さぬものもある。しかし、サッカーやバスケットではずっとパッとしないし、一時、世界の強豪であった女子バレーボールも、ベテランの引退などで一時的「調整期」にある。こうした種目のグレードアップは確かに不可欠である。

最近、日本のサッカー界がイタリア人の監督を招致した。イタリア人監督アルベルト・ザッケローニ氏はすでに着任しており、同氏はイタリアの強豪ユベントスを率いたことがあり、FWを3人並べる布陣の攻撃的サッカーで鳴らし、98―99年シーズンにはACミランをリーグ優勝に導いたこともある。日本のサッカーは世界的にはまだ一流とはいえないが、アジアで強豪であることはまちがいない。中国には日本より多くのサッカーファンがおり、私の知人の中には時差で寝不足になってもワールドカップを全部テレビで観戦している人もいるが、中国のサッカーはいまいちである。素質のある選手もいるにはいるが、その力を生かしきるシステムがいまいちのような気がする。

今回の広州アジア大会は、ロンドン・オリンピックを前にしての、中国スポーツ界の大演習とも言える。強い種目は他国に追われる立場にあり、今まだ弱い種目は平常心を持って、日本のサッカー界のように、落ち着いて、はっきりとした目標をかかげて、一歩一歩とグレードアップしていくことが必要であると思う。

上海万博が閉幕すれば、広州大会がそろそろ始まる。一歩一歩と実績を積み上げていく以外に、「スポーツ強国」になることは不可能である。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月30日

 

 

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