胡錦涛国家主席は11月11--14日、韓国のソウルで開かれる第5回主要20カ国・地域(G20)首脳会議と日本の横浜で開かれる第18回アジア太平洋経済協力会議(APEC)非公式首脳会議に出席する。外交部の内外メディア向けブリーフィングで8日、劉振民・外交部長助理、朱光耀・財政副部長、易小准・商務副部長、および中国人民銀行の担当者が、胡主席の会議出席の背景、主な活動の重要な意義について説明し、記者の質問に答えた。
■APEC首脳会議
劉氏は胡主席によるAPEC首脳会議、APECビジネス諮問委員会(ABAC)代表との対話、APECビジネスリーダー会議への出席などについて説明。「胡主席はAPEC首脳会議で、アジア太平洋地域経済の『均衡的、あまねく広がる、持続可能、イノベーティブ、安全な成長』について中国側の主張を詳述し、APECの今後の発展への見解を提示し、アジア太平洋地域協力についての中国の立場や主張を説明する。APECビジネスリーダー会議では『アジア太平洋の新興市場国』をテーマに演説する。ABAC代表との対話では、アジア太平洋自由貿易圏、中小企業の発展、食糧安全保障、エネルギー安全保障などの問題について意見交換する」と述べた。
劉氏は「APECはアジア太平洋地域における最も仕組みの整った、最もハイレベルな、最も影響力の大きい経済協力フォーラムだ。発足以来20年余り、この地域の貿易・投資の自由化と円滑化、経済統合の深化、発展格差の縮小に重要な役割を発揮してきた。中国はアジア太平洋の大家族の一員として、APECの各分野の協力を一貫して重視し、積極的に参与してきた。中国の国家主席は各回のAPEC首脳会議に出席している」と指摘。今回の首脳会議に期待する成果として以下を挙げた。
(1)「均衡的、あまねく広がる、持続可能、イノベーティブ、安全な経済成長」の促進面で実務協力を行い、アジア太平洋地域経済のさらに高い水準・レベルでの、より良くより速い成長を促す。
(2)ボゴール目標の評価を契機に、貿易・投資の自由化と円滑化を一層進め、地域経済の統合を加速する。
(3)明確かつプラスのシグナルを発し、保護貿易主義や保護投資主義に反対し、WTOの多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)がこれまでの成果を確かなものにした上で全面的かつ均衡的成果を早期に上げることを支持する。
(4)能力開発、開発格差の縮小における発展途上国の新たな進展を支援し、途上国が自力で発展する力と経済の内発的動力を強化する。
(5)APECの体制改革を引き続き着実に推進し、協力の効率を高め、協力の活力を強化し、APECの役割と影響力を不断に強化する。
易氏は「目下、アジア太平洋協力は活発な様相を呈し、さまざまな域内貿易計画が持ち上がっている。中国側はAPECが今回の会議を通じて、引き続き自らの強みを発揮し、域内経済統合の推進に一層の貢献を果たすことを希望する。中国側はアジア太平洋地域の経済融合と共同繁栄に寄与するあらゆる協力に対して、原則的に開かれた姿勢でいる。各国と共に協調と協力を強化し、透明で開かれた地域協力の原則を堅持し、多様性や差異性を尊重し、各国の核心的関心に配慮し、アジア太平洋地域の経済協力を着実に進めていきたい。ボゴール目標の評価についてだが、今年は先進国5カ国と自発的に参加する途上国8カ国が評価を受ける。これらの国々は貿易・投資の自由化と円滑化の面で少なからぬ成果を上げているが、商品・サービス・投資分野で依然各種の貿易・投資障壁が存在する。中国側は、ボゴール目標の評価は過去15年間の取り組みに対する総括であるのみならず、将来の取り組みに対する展望であると考える。評価を通じて各国は問題をさらに見極め、措置を明確化し、的確な行動をとるべきだ。各国がさらに共通認識を深め、市場開放推進への決意と流れを強化し、この地域に良好な貿易・投資環境を築き、共同発展実現のために努力することを希望する」と述べた。
「人民網日本語版」 2010年11月9日
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