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卓球、中国の独占からアジアの独占へ新しい局面

 

仏パリで13日から開催されていた世界卓球選手権が20日、幕を閉じた。同大会で中国は、男子、女子シングルス、女子ダブルスで金メダルを獲得した一方、男子ダブルスと混合ダブルスでは金メダルを逃した。中国が1つの大会で2枚の金メダルを逃すのは実に20年ぶりのことで、中国では、「中国の選手の実力が下がったのか?それとも海外の選手のレベルが上がったのか?それとも、中国も海外も新たな卓球の時代を迎えたのか?」など、動揺の声が上がっている。ただ、中国の敗戦により、世界の卓球界にとっては新たな見所を得た形となっている。環球時報が報じた。

中国の独占からアジアの独占へ

今大会には、独のティモ・ボル選手やヴェルナー・シュラガー選手、ロシアのブラディミル・サムソノフ選手、ベルギーのジャン=ミッシェル・セイブ選手など、過去には世界ランキング上位に名前を連ねた欧州のベテラン選手も出場したが、以前ほどの輝きを発揮することはなかった。また、欧州からは新人選手も登場しているが、その実力はアジア、特に中国の選手を脅かすほどには至っていない。

今大会の結果を見ると、卓球界の動向は過去の「アジア対欧州」から、「アジアの独占状態」へと局面を移していることが分かる。中でも、男子シングルスを見ると、ベスト8のうちアジアの選手が6人おり、欧洲からは独のティモ・ボル選手とパトリック・バウム選手のみ。ベスト4は中国が独占した。一方、女子シングルスでは、ベスト8はすべてアジアの選手だった。中国は男子ダブルスと混合ダブルスで金メダルを逃したものの、両種目のベスト4もまた、すべてアジアのペアだった。

中国が金メダルを2枚逃したことで、世界の卓球選手にとってはがぜんやる気を出す機会となった。例えば、男子ダブルスで中国の馬琳・◆(=赤におおざと)帥ペアを破った中華台北の陳建安・庄智渊ペアは、「台湾地区の光」と称賛を受けている。また、混合ダブルスでは、朝鮮のキム・ヒョクボン・キム・ジョンペアが、同大会が始まって36年の歴史の中で、朝鮮にとっては初となる、金メダルをもたらした。朝鮮労働党中央機関紙「労働新聞」は同ペアの功績を讃える特集を20日、2枚の写真付きで掲載し、金メダルを取るに至った道を詳しく伝えたほか、「世界各界の記者や選手が金メダルを獲得した朝鮮の選手を熱烈に祝福した」と報じた。

中国、欧州の卓球界に助力へ

中国卓球ナショナルチームの劉国梁・総監督は、「故意に金メダルをほかの国に譲った」という説を否定しているが、ダブルスの組み合わせを見ると、新人とベテランを組み合わせたり、これまでに一度もペアを組んでいない選手同士を組み合わせたりと、他の国に金メダルを奪われる隙を与えたのもまた事実だ。

一方、欧洲では卓球界をにぎわす新たな実力ある新人が登場していないため、中国卓球協会は仏や独など、卓球強国と共同で訓練所を開設し、中国式の練習スタイルを伝えることで、選手育成の協力を展開する計画という。そのため、強固な基礎を築いた欧州の卓球選手が将来、アジアの壁になるという新たな局面を迎えるかもしれない。

 

「人民網日本語版」より 2013年5月22日

 

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