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日本に鄭成功記念館 共通の英雄記念で中日関係改善願う

 

「私たちは島の問題のように争うのはご免だ。鄭成功は日本の血が流れる日中両国の英雄だ」。先日落成した長崎の鄭成功記念館で、あるタクシードライバーが「環球時報」の記者に笑顔で話す。

300年前、鄭成功は軍を率いて台湾海峡を横断し、オランダに38年間占領されていた台湾を取り戻した。このときから、鄭成功は侵略者と勇敢に戦う中華民族の英雄として語り継がれることになった。しかし、鄭成功は中国の英雄であるだけでなく、日本でも「日本出身のアジアの英雄」と讃えられていることはあまり知られていない。鄭成功は7歳のまでの間、現在の長崎県平戸市で過ごした。「環球時報」の記者が当時の遣唐使の出発地でもあるこの地を訪れたときには、鄭成功はすでにこの街の一部になっていることに気づかされる。

300年が過ぎた今でも、平戸市はこの地に生まれ育った英雄のことを忘れてはいなかった。ここには鄭成功記念館や鄭成功誕生石、鄭成功廟、鄭成功記念公園などがあり、毎年7月14日の鄭成功誕生の日には鄭成功まつりが開かれる。「1624年のこの日、妊娠していた田川七左衛門の娘田川松が浜辺で貝を拾っていたとき、突然の陣痛に帰宅することができず、恥じらいながら浜辺の大きな石の陰で鄭成功を生み下ろした。後にこの石は「鄭成功誕生石」と名付けられた。」そう語るのは進んでガイドを買って出てくれたタクシードライバー。現在、鄭成功が生前住んでいた家は鄭成功記念館として7月14日に開館し、無料で参観できるようになっている。

鄭成功記念館は平戸市観光商工会観光課が運営管理に当たっている。「鄭成功の功績を讃え、後世に伝えるために鄭成功の幼少期の住まいを記念館にしました。鄭成功は中国と世界の華人の間での知名度は高く、記念館落成後は、多くの中国人観光客を引きつけ、経済の活性化が期待できる」と同課の責任者である江川佳徳氏は話す。鄭成功記念館は560平米の敷地面積を有し、鄭成功居宅跡、鄭成功母子像、鄭成功が自ら植えたと言われるナギの木の3つの参観スポットがある。母子像は記念館の中央に位置し、居宅跡とナギの木は左右に分かれる。鄭成功は幼い頃から片親家族のような暮らしをしていていた。父鄭芝龍は長年貿易に奔走し、鄭成功は生まれてから母の手一つで育てられてきた。7歳のときに父とともに日本を離れ、今度は父だけの片親家族状態の生活を過ごした。1645年、鄭成功の母も家族が暮らす中国泉州安平に渡り、ようやく一家団欒を果たす。しかし、数ヶ月もしないうちに、清軍が南下。安平を襲撃し、母田川松は節義に殉じ自殺を選んだ。母の死を知らされた鄭成功は、丸三日食事も喉を通さなかったとう。この母子愛記念するため、2008年、平戸市民の出資によって、一番目立つ位置に母子像が建てられた。

1982年から、平戸市と台湾の民間団体「鄭氏宗親会」は交流を始める。交流の中で、より良い形で鄭成功の功績を記念するため、平戸市鄭成功居宅跡に記念館を建てる構想が練られた。また、平戸市と福建南安市は鄭成功縁の地として、1995年に姉妹都市になっている。南安は鄭成功の原籍地で、平戸を離れてから移り住んだ場所でもある。

鄭成功居宅跡は伝統的な日本式木造建築で、玄関と客間、和室、航海の守護神媽祖(まそ)像室と生活空間からなっている。玄関を入ると、父鄭芝龍が海外貿易に使用したとされる船の模型が飾られている。また、玄関を入ってすぐに「延平郡王」という文字が見える。1655年、南明の永歴帝は鄭成功を潮王(親王階級)に封じたいと考えたが、鄭成功は功がそれに至らないとして受け入れず、最後は勅命によって郡王階級の「延平郡王」に封じられた。鄭成功の軍人としての一面を表するため、生活空間には鄭軍兵士塑像と刀剣の模型が並べられている。

江川氏によると、開館2週間で観光客は500人を超えたという。多くの日本人が鄭成功を知っているものの、その知名度は戦国時代や江戸時代の英雄には劣る。平戸市は今後大々的に宣伝を行い、鄭成功の知名度を上げたいとしている。また、平戸市は現在海外への宣伝に力を入れており、開館1週間で84人の中国人観光客が訪れた。このペースでいけば、平戸を訪れる中国人観光客は間もなくして韓国人観光客を超えるだろうということだ。「開館したばかりなので、まだ観光客から評価を収集できていない。来館する日本人も多く、中国人観光客からの問い合わせも増えている。観光客の積極的な評価が色々な面に現れてくるだろう」と江川氏は話す。

記念館が中日関係にもたらす役割について、江川氏は、「日中両国は長い往来の歴史があり、共通の文化もたくさんあります。鄭成功のような共通の歴史人物は、日中文化の最も良い接触点。中国人が彼を忘れることはなく、日本人も彼を忘れません。彼のような人物が両国を結びつけ、互いの友好関係を末永いものにしてくれます。特に今の日中関係は厳しく肝心な時期にあるので、こうした人物が一段と大切になってくる」と記者に語る。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年8月21日

 

 

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