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自由貿易区18カ所を建設中 国内の「次」に注目

 

商務部(商務省)は4日、「自由貿易区建設」をテーマとした記者会見を行った。同部弁公庁の姚堅主任によると、中国は現在、自由貿易区18カ所の建設を進めており、所在地は31カ国・地域にまたがる。だがそれよりも国内の次の自由貿易区がどこになるかに注目が集まっている。中国(上海)自由貿易試験区は制度刷新の「実験拠点」として、自由貿易区の範囲をさらに拡大していく他国・地域との交渉に寄与するという。「京華時報」が伝えた。

 ▽自由貿易12協定に調印

 姚主任によると、中国には現在、建設中の自由貿易区が18カ所あり、所在地は31カ国・地域にまたがる。自由貿易区をめぐって、すでに12件の自由貿易協定(FTA)に調印しており、それには中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)、シンガポール、パキスタン、ニュージーランド、チリ、ペルー、コスタリカ、アイスランド、スイスとのFTA、大陸部と香港地区、澳門(マカオ)地区とのより緊密な経済貿易関係の計画、大陸部と台湾地区との海峡両岸の経済協力枠組合意が含まれる。アイスランドとスイスとのFTAだけが未発効で、その他はすべて実施段階に入っている。

 またこれ以外にも交渉中のFTAが6件あり、中国と韓国、湾岸協力委員会、オーストラリア、ノルウェーとのFTA交渉、中日韓自由貿易区の交渉、「地域の全面的経済協力パートナー関係の協定」の交渉、の6件だ。

 ▽上海自由貿易区 関連も相違も

 上海自由貿易区とその他の自由貿易区には関連もあれば、相違もある。姚主任によると、上海自由貿易区は特定の地域の中にあり、自主開放の一つの手段だ。国際的には経済特区、自由経済区などと呼ばれ、地域内の企業に貿易や投資をめぐって便宜を提供し、より多くの投資を呼び込むのがその役割だ。

記者会見で取り上げられた自由貿易区とは、国同士、国と地域の間の経済協力をめぐる合意のことであり、交渉を通じて成立し、相互に利益がある。区外の国や地域はこの自由貿易区政策の恩恵を受けることができないが、両者には関連がある。上海自由貿易区で採用された一連の試験的政策は、いずれも自由貿易区の交渉で遭遇した問題をめぐるものだ。こうした政策が上海自由貿易区で企業に認められれば、その他の自由貿易区にも複製して普及拡大する予定だ。

 ▽上海は他の自由貿易区のために模索

 同部国際経済貿易関係司の孫元江副司長によると、上海自由貿易区は制度刷新のコンセプトに貫かれている。ここで実施される政策は交渉の中で解決が必要とされた問題をめぐるもので、全国に先駆けて試行することで自由貿易区交渉により多くの便宜を与え、条件作りをすることになるとみられる。自由貿易区参入前から内国民待遇を与えることやネガティブリストなどの制度はいずれも世界の潮流であり、上海自由貿易区における政府の職能や管理体制が変化し、サービス貿易が拡大し、金融体制と投資体制が改革されることで、自由貿易区戦略のさらなる拡大に向けた経験が蓄積されることになるという。

 姚主任は次のように話す。かつてある国際機関の評価では、中国の貿易の利便化レベルは世界トップクラスだったが、貿易が開放されるのにともなって、交渉の中で世界の経済貿易で通行する制度と中国の制度との不一致の問題が浮かび上がってきた。また中国は今後、サービス業の割合と発展ペースを高める必要があり、進行中の交渉のためにどのようにテスト事業を展開するかは、上海自由貿易区が責任をもって引き受けた問題だ。

 また姚主任は次のように話す。同部はこれまでさまざまな地域で調査研究を行い、次の自由貿易区建設都市についての評価作業を進めてきた。広東省、廈門(アモイ)市、天津市、山東省、江蘇省などが自由貿易区建設構想をうち出している。孫副司長によると、自由貿易区の全体計画は国務院が統一的に制定するという。

 

 「人民網日本語版」2013年12月5日

 

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