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中国経済のペースダウン 西側世界は何をあわてる?

 

今年に入ってから、中国の経済データの一つ一つの変化が西側世論の注目の的になっている。中国国内の経済成長ペース鈍化に対する懸念と比較すると、西側の中国経済への関心は非常に高く、中国の経済成長予測を下方修正するだけでなく、中国経済は衰退する、不動産市場は暴落すると声高に叫び、中国経済の鈍化に「薬」を処方しようとする。実際、中国経済は今では確かにグローバル経済への影響力を強めている。しかし中国の経済改革とモデル転換がもたらした変化にともない、西側は中国経済のペースダウン・ギアチェンジという現実に適応するべきだし、中国が高度成長してグローバル経済に貢献することばかりを求めてはならない。「人民日報」海外版が伝えた。

▽西側は「中国のペースダウン」を凝視

世界銀行がこのほど発表した「中国経済が米国を抜いて世界一になる」などとした報告書が世界中の注目を集めた。中国国内メディアの相対的に冷静な態度に比べ、西側メディアの報道は上を下への大騒ぎで、中国の経済成長の速さに感心する声もあれば、中国が1位になるという結論は名前だけで実体を伴わないと疑ってかかる批判の声もある。だが中国経済の規模が世界一になるにせよ、ならないにせよ、これはある面から一つの現実を映し出すものだ。その現実とは、中国経済に関するニュースであれば、どんなものでも西側世論に大きく注目されるという現実だ。

実際、ここ数年間、西側世界では中国経済が衰退するとの声がやまない。特に今年に入って経済成長率が鈍化すると、西側では新たに中国衰退を唱える声がわき上がった。経済学者の馬光遠氏は、「国家統計局が今年第1四半期(1-3月)の経済成長データを発表する前には、海外の一連の投資銀行が新たな中国経済衰退論の『大合唱』を始め、ゴールドマン・サックスがこのほど出した予測では中国経済の同期の成長率をわずか6%としている」と指摘。統計局が最終的に発表したデータが国際投資銀行に対する有力な反撃となったが、それでもなお外界の懸念を解消するには至っていないという。

▽中国にペースアップを要求するのは無理というもの

西側世界は中国経済の低迷を叫ぶだけでなく、中国経済のモデル転換の過程でのペースダウンやギアチェンジに適応できていない。昨年7月に行われた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、欧米諸国の多くが中国に対し、積極的な経済活性化措置を取って中国経済の成長率を引き上げ、これにより他国の経済復興を牽引することを願うという態度を示した。こうした、中国経済の粗放型の発展モデルが陥ったボトルネックという現実を省みず、中国経済に貢献ばかりを要求する考え方が、西側世界ではいまだに幅を利かせているのだ。

実際、西側では中国経済の高度成長に対する過度の依存が習慣のようになっているが、あれほどの高度成長は持続不可能だ。長らく政府の投資に頼って成長を維持してきたために生じた矛盾や資源面の圧力、環境面の圧力がますます深刻化している。国内の需要も外部からの需要も低下し、特に一連の先進国でグリーン障壁、技術障壁、反ダンピング、知的財産権保護といった非関税障壁を措置とした新たな貿易保護主義が横行しており、これにより中国の輸出が低下した。また一連の先進国における通貨安競争が、ホットマネーの襲撃、人民元の持続的な値上がり、輸入型インフレといった問題を引き起こしている。こうした複雑な国内・外部環境の中で、中国経済が引き続き安定成長を維持するのは容易なことではない。

中国国際経済交流センター情報部の徐洪才部長は、「いわゆる中国経済の鈍化が世界の足を引っ張るという主張は事実に合致しない」とした上で次のように述べた。グローバル経済の復興や持続可能な発展に向けて中国が行った貢献は、先進国に比べても発展途上国に比べても、相当なものだといえる。中国は引き続き7%以上の経済成長率を維持し、毎年1千万人以上の雇用問題を解決し、現在では世界最大の対外貿易国だ。これらはどれもグローバル経済の成長に対する貢献だといえる。

▽中国のモデル転換が世界のバージョンアップを促す

中国の経済改革が深化するのにともない、西側はこれまでのように中国経済に「高度成長」を求めることをやめなければならないし、中国経済の新しい「常態」に徐々に適応しなければならない。申銀万国証券の李慧勇マクロアナリストによると、新しい常態の下で、第一に中国経済は高度成長からペースダウンして中くらいの高度成長に移行する。第二に中国の経済成長モデルが粗放型の成長モデルからイノベーションや消費が駆動する成長へと変化する。第三にこうした時期にはリスクの予防をより重要な位置に置くことが必要だという。

モデル転換のプロセスで、中国の経済成長ペースは一段低下するが、経済の質と利益は大幅に上昇し、「世界の工場」から「世界の市場」へと転換し、「メードインチャイナ」から「クリエーテッドインチャイナ」にモデルは変わり、未来の中国は世界経済への貢献でもさらにバージョンアップを達成するとみられる。

徐部長は次のように話す。中国は今、経済発展モデルを転換しつつあり、内需による牽引を通じて、特に新型の都市化建設のスタートを、未来の発展の重点活動として、世界経済の発展にチャンスを提供してきた。先進国の技術、資本、経験はどれも中国で市場を見つけだし、中国という舞台でそれぞれの役割を発揮することができる。経済グローバル化を背景として、中国はこれまでずっと貿易の自由化と投資の利便化を主張するとともに、産業構造のバージョンアップ、省エネ・環境保護、エネルギー構造の改善などを追求してきた。これらはすべて世界の経済や生態環境保護にとって積極的な意義をもつものだ。実際、中国は経済発展の質や効率にますます注目するようになり、公平で合理的で互恵の世界経済の新秩序を構築し、グローバル経済のリバランスを達成するために、積極的に努力し貢献を行っている。

 

 「人民網日本語版」2014年5月15日

 

 

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