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自主発行償還の地方債 北京など10カ所で試行

 

今年から北京や上海など10カ所で、地方債の自主発行・自主償還を試験的に実施する。21日に明らかにされたところによると、財政部(財務省)がこのほど「2014年地方政府債権自主発行・自主償還試行管理規定」をうち出したことで、地方政府の債権発行をめぐる自主権が拡大されたことになり、この規定は中国が地方性府の債権申し込み募集を一層規範化し、市場化された債権発行を模索する上での重要な措置だといえる。「京華時報」が伝えた。

▽公式発表 10カ所が自主発行・自主償還を試行

国務院の承認を経て、今年から北京市、上海市、浙江省、広東省、深セン市、江蘇省、山東省、江西省、寧夏回族自治区、青島市で地方政府債権の自主発行と自主償還が試験的に実施される。自主発行、自主償還というのは、財政部によると、試行地域が国務院の認可した債権発行の限度額内で、当該地域の政府債権の発行、利息の支払い、元本の償還を自ら組織するメカニズムを指すという。

同規定によれば、試行地域が政府債権を発行する場合は、年度ごとの限度額管理を実施しなければならず、通年の発行額が国務院の認可した当該年度の限度額を超えてはならない。14年の限度額は同年のみ有効で、翌年度に繰り越すことはできない。また試行地域が発行する政府債権は記帳式固定利付き債権で、14年は期間5年、7年、10年の3種類が発行され、比率は4対3対3となっている。

また財政部によると、試行地域は債権の元本を償還し、利息を支払う責任を負わなければならず、そのために債券償還保障メカニズムを構築して、政府の信用を守る必要があるという。

▽背景を解読 利回り確定がより柔軟に

中国では09年に財政部が代理発行し、代理償還する地方政府債権をうち出し、13年には試験的に地方政府が自主発行し、同部が代理償還する地方政府債権をうち出した。今年は試行地域において地方政府が自主発行・自主償還する地方政府債権が初めて発行されることになった。このようなモデルの変遷により、地方政府の債権債権をめぐる自主権がコントロール可能な範囲で拡大された。たとえばこのモデルであれば、地方政府はより柔軟な委託方式や自主入札方式を利用して債権の発行者利回りを確定できるようになる。

同部によると、地方政府債権と地方政府債務は異なる概念だ。地方政府債権とは、通常は財政収入がある地方政府が発行する債権を指す。地方政府債務とは、地方政府が債務者である、支出が収入を上回ることによって形成された赤字の総和を指す。一種のストックの概念であり、明示的債務と政府が道義的に償還の責任を負う暗示的債務を含むという。

▽北京の施行例 今年の発行額は100億元突破か

北京市の財政部門によると、北京市が今年発行する地方政府債権の限度額は昨年よりも引き上げられて、100億元(約1631億円)を突破する見込みだ。だが同部門によれば、試行地域の政府債権は全国の銀行間債権市場や証券取引所の債権市場で取り引きされるべきもので、証書式国債のように直接個人に販売してはならないという。

同市は地方政府債権発行で調達した資金の大部分を、市民の生活に関わる分野や地方公共設備の建設に充てるとしている。社会保障対策としての住宅建設(保障性住房)、医療・衛生分野、地下鉄建設などに充てるという。

 

「人民網日本語版」2014年5月23日

 

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