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中国のネットショッピングは規模世界一

 

阿里研究院がこのほど発表した「主流生活報告」によると、2003年に開設されたインターネットショッピングのプラットフォーム「淘宝(タオバオ)」は、今ではネットショッピングと同義語になり、生活スタイルの主流になったという。10年前にはネットショッピングに反対意見だった人にとっても、ネットショッピング、宅配便、モバイル決済はすでに生活の一部だ。データによると、中国ネットショッピング市場はすでに米国を追い抜き、世界一のネット小売市場に成長したという。「南方日報」が伝えた。

▽阿里巴巴系の取引だけで米国に比肩

阿里研究院は、阿里巴巴(アリババ)集団の米国での株式上場に際しての募集文書の数字を引用して次のように説明する。13年末時点で、天猫、淘宝、聚劃算を含む通年の商品取引総額(GMV)は1兆5420億元(約2530億ドル。1元は約16円、1ドルは約101円)に達した。阿里巴巴プラットフォームには2億3100万のバイヤーがおり、年間の取引件数は110億件に上る。米国の市場調査会社eMarketerのデータによると、米国のネットショッピング取引額は2589億ドルに上り、人民元に換算すると約1兆5660億元になる。阿里巴巴プラットフォームだけで取引額は米国全体に相当するということだ。

中国のネット調査会社アイリサーチの統計によると、ネットショッピングが一層の発展を促されるのにともない、16年には中国のネット小売市場の規模は3兆7900億元(約6220億ドル)に、複合年間成長率は27.2%に達することが予想される。年齢構成をみると、90年代生まれの勃興と00年代生まれの成長の潜在力とが中国ネット産業の未来を決定づけると考えられる。13年には90年代生まれのネットカバー率は32%に迫り、14年は40%を超えるとみられる。80年代生まれや90年代生まれなどのネット普及レベルの高い層が消費の中堅的なパワーになり、ネットショッピングは生活により深く入り込み、より大きな影響を与えるようになる見込みだ。

地域別にみると、三線都市や四線都市により大きな開拓の可能性がある。先に淘宝網が発表した「全国県域地区ネットショッピング発展報告」によると、12年は県地域に暮らす人のネットショッピング件数は一人あたり平均54回で、一線都市・二線都市の39回を超えた。これに比例して、平均購入金額も県地域が一線・二線都市を上回った。

同報告によると、淘宝の成功の理由には中国で小売システムが十分に発達していないこともあるという。国家統計局が発表したデータをみると、12年の小売の伸びのうち59.8%は一線・二線都市以外の地域によるものだった。これまでの小売システムでは三線・四線都市の消費者は非常に限られた商品しか選択することができなかったが、淘宝モデルが地域的な制約を取り払ったため、これまで身を潜めていた購買力が急速に発揮されるようになったといえる。

▽ネットショッピングが買い物の習慣を変える

阿里巴巴の募集文書には次のような数字も書かれている。13年末現在、淘宝では800万のサプライヤーが7億9600万点の商品を販売しており、商品の品目は100、種類は2千に及ぶという。

同報告によると、ネットにつながる環境さえあれば、淘宝では基本的に好きな時間にほしい商品を買って、希望する場所に送ってもらうことができる。バーバリーの高級トレンチコートもあれば、中国農村の婦人のハンドメイドの布靴もあり、ごく少数の人にしか買えないがヘリコプターも売っていれば、街を走り回って力仕事をする人が乗る三輪車もある。

豊富な種類、大量の商品の存在が、中国の消費者を世界にも真似できないような消費者にしている。中国の消費者はいつでもどこでも8億点近い商品を800万のサプライヤーから自由に選択することができるのだ。ほとんどの商品を複数のサプライヤーが取り扱っているため、消費者はどの店舗から買うかを選択することができる。こうして店舗同士が競争するようになり、中国のネットショッピング店舗のサービス水準は向上を続けている。

阿里巴巴はパーソナルコンピューター(PC)端末では強みをもつが、モバイルネットショッピングの分野ではより多くの競争相手に直面している。そこで携帯電話でのショッピング事業の規模を拡大したため、淘宝のサプライヤーたちは大忙しだ。携帯サイトの手機淘宝が提供するサービスはPCサイトのサービスを大きく上回る。主婦たちは昼寝の前に携帯での店舗めぐりを楽しみ、多くの人の中では好きな時に好きな場所で携帯を使って配送状況をチェックしたり、ショッピングカートを更新したりする習慣が根付きつつある。今や手機淘宝で近くのレストランや映画館を予約したり、ハウスクリーニングの人を探したりすることが定着しつつあり、各地点の属性に応じた生活サービスがより多く提供されるようになっている。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2014年5月29日

 

 

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