四、西沙諸島は中国の領土
(一)西沙諸島は中国固有の領土であり、いかなる係争も存在しない。
西沙諸島を最も早く発見し、最も早く開発・経営し、最も早く管轄したのは中国だ。中国の北宋(960−1126年)政府は西沙諸島を自らの管轄範囲内としており、同海域の巡航のために水軍を派遣した。中国の清政府は1909年、広東水軍提督の李準に軍を委ね西沙諸島を視察させた。広東水軍は永興島で旗を掲げ大砲を撃ち、主権を宣言した。中華民国政府は1911年、西沙諸島と付近の水域を海南島崖県の管轄下に置くことを宣言した。


資料3 ベトナム民主共和国政府の範文同首相が1958年9月14日に、周恩来総理に宛てた照会
日本は第二次世界大戦中に西沙諸島を占領した。1945年に日本が降伏すると、中国政府は一連の国際的な文書に従い、1946年11月に高官と軍艦を派遣し、西沙諸島で返還の儀式を開き、これを記念する碑を建立し、兵士を駐在させた。外国に不当に占拠された西沙諸島は、再び中国政府の管轄下に置かれた。
中国政府は1959年に、「西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島弁事処」を設立した。中国軍は1974年1月、西沙諸島の珊瑚島と甘泉島に侵入したベトナム当局の軍隊を駆逐し、中国の領土の主権を守った。1992年に発表された「中華人民共和国領海及び接続水域法」、中国政府が1996年に発表した西沙諸島の領海基点・基線は、中国の西沙諸島に対する主権と領海の範囲を確認した。中国政府は2012年に西沙諸島永興島に、三沙市の権力機関を設立した。
(二)1974年までのベトナム歴代政権は、中国の西沙諸島の主権に対していかなる異議も唱えたことがなく、政府の声明・照会、新聞・地図・教科書は、いずれも西沙諸島が古来より中国の領土であったことを正式に認めている。
ベトナム民主共和国外務省の雍文謙副外相は1956年6月15日、在ベトナム中国大使館の李志民中国臨時代行と会談した際に、「ベトナム側の資料によると、歴史的に見て、西沙諸島と南沙諸島は中国の領土に属する」と表明した。ベトナム外務省アジア担当の黎禄氏はさらにベトナム側の資料について詳細に説明し、「歴史的に見ても、西沙諸島と南沙諸島は宋の時代から中国に属していた」と語った。

 
資料4 ベトナム総理府が1972年5月に発行した「世界地図集」の表紙、「フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポール」の部分
中国政府は1958年9月4日に声明(資料2)を発表し、中国の領海の幅を12海里とすることを宣言し、「同規定は西沙諸島……を含む中華人民共和国のすべての領土に適用される」とした。ベトナム労働党の機関紙『ニャンザン』は9月6日、一面の全文を使い、中国政府の領海の声明を掲載した。9月14日、ベトナム政府の範文同(ファム・ヴァン・ドン)首相は周恩来総理に照会(資料3)を送り、「ベトナム民主共和国政府は、中華人民共和国政府が1958年9月4日に発表した、領海の決定に関する声明を認め、これを支持する」、「ベトナム民主共和国政府は同決定を尊重する」と表明した。
ベトナム民主共和国政府は1965年5月9日、米国政府が確定した米軍のベトナムにおける「作戦エリア」問題について声明を発表し、「ジョンソン米大統領はベトナム全体と、ベトナムの海岸から約100海里までの周辺海域、中華人民共和国の西沙諸島の一部の領海を、米国の兵力の作戦エリアと規定した。これはベトナム民主共和国と隣国の安全を直接脅かしている」と指摘した。
ベトナム総理府が1972年5月に発行した『世界地図集』は、西沙諸島に中国名を用いた(資料4)。ベトナム教育出版社が1974年に出版した地理の教科書は、「中華人民共和国」(資料5)の中で、「南沙、西沙の各島嶼から、海南島、台湾島、澎湖諸島、舟山諸島……などに至る島々はアーチ状を呈しており、中国大陸を守る長城を形成している」と記述している。
ベトナム政府は自国の約束に背き、中国の西沙諸島を領土と主張している。これは「禁反言」などの国際法の原則、国際関係の基本的な準則に著しく背いている。
五、事態の適切な処理
中国は南中国海の平和と安定を維持し、地域内の各国の協力と発展を推進する毅然たる力であり、国連憲章の主旨と原則、国際関係の基本的な準則、国際法の基本的な原則を守る毅然たる力である。中国は自国の周辺で、いかなる混乱が生じることも願わない。
中国は中越関係の発展を願っているが、原則を放棄することはできない。中越間の連絡は、スムーズなルートが確保されている。中国はベトナムに対して、両国関係および南中国海の平和と安定の大局を立脚点とし、中国側の主権、主権の権利、管轄権を尊重し、中国側の作業に対するいかなる形式の妨害も即刻停止し、かつ現場のすべての船舶と人員を撤退させ、緊張情勢を和らげ、海の安定を取り戻すよう忠告する。中国はベトナムとの連絡を続け、現在の事態を適切に処理するよう努力する。




資料5 ベトナム教育出版社が1974年に出版した地理の教科書、「中華人民共和国」の章
「中国網日本語版(チャイナネット)」2014年6月9日
|