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ドキュメンタリー『象雄』クランクイン

 

李仁芝=文 張永楽=写真

ドキュメンタリー『象雄(シャンシュン)』に関するシンポジウム

 

中国初の「象雄(シャンシュン)文化」を紹介するドキュメンタリー番組『{シャンシュン}象雄』が6月7日、クランクインした。この番組は中国中央テレビ(CCTV)昔話チャンネル『故郷』の番組制作チーム、中国国際文化芸術連合会、中国エスペラント出版社、チベット自治区ラサ市文物局、北京中資遠方文化メディア有限公司が共同で撮影するものだ。

シャンシュン語で「シャンシュン」は大鵬(中国に伝わる伝説の巨鳥)が生存する地を意味する。7世紀に{とばん}吐蕃王朝が勃興する前、シャンシュンは中央アジアから青海チベット高原にまたがる地域に、最も輝かしく、最も咲き誇った古文明を創造し、歴史的に「古象雄文明(古シャンシュン文明)」と呼ばれる。シャンシュンはチベットのカイラス山麓一帯から生まれた。考古学専門家は今までに出土した文物の研究成果から、シャンシュンの歴史は最も控えめに見積もっても4000年前にさかのぼると分析している。シャンシュン王国はおよそ紀元前4世紀から7世紀かけて存在した国と見られ、首都は現在のチベット自治区アリ地区と想定されている。

 

ドキュメンタリー『象雄(シャンシュン)』のクランクイン式

 

シャンシュン文化はチベットのオリジナル文化であり、チベット文化の源と同根とされ、医学、建築学、声明学(古代インドの学問分類法「五明」の一つで言語、文献に関する学問)、因明学(同じく古代インドの「五明」の一つで論理学)、仏教学、哲学、天文学などを内包し、青海チベット高原で暮らすチベット族の先祖の知恵を反映している。シャンシュン文化の精神と伝統はチベット族の遺伝子として伝わり、さまざまな伝統、風習、文化は今日まで代々伝わり、チベット族の日常生活において欠かせない一部となっている。現在、広く知られる転神山、拝聖湖、五体投地、タルチョ、バター細工や伝統舞踊、絵画芸術などに古シャンシュン文化のエキスが溶け込んでいる。

シャンシュン王国は古文明として歴史から消えてしまった。しかし、悠久なシャンシュン文化は時間の推移に伴って多彩なチベット文化にしみ込み、融合し、青海チベット高原における貴重な文化遺産となっている。

シリーズ・ドキュメンタリー『象雄(シャンシュン)』は考古の文献を手がかりとし、大量の詳細かつ確実な歴史、考古資料を使い、国内外の専門家、学者の最新研究を根拠にし、ロケ撮影もしたもので、ほこりに埋もれた何千年前の歴史を語り、新しい視点から視聴者をかつての輝かしく、咲き誇った古文明の故郷に誘うだろう。

 

ドキュメンタリー『象雄(シャンシュン)』の除幕式に出席した趙吉昌・北京中資遠方文化メディア有限公司総裁(左から一人目)、林鴻監督(左から二人目)、平措旺堆(ピンツオワンドウイ)・ラサ市文物局長(左から三人目)、王晋・CCTV『故郷』番組プロデューサー(左から四人目)の各氏

 

人民中国インターネット版 2015年6月16日 

 

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