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中国各地の風情街、「どこも一緒」という不満の声も

 

夏休み中、全国各地の名所旧跡に観光客が殺到した。現地の有名な「風情街」は、多くの観光客にとって必見の場所となった。しかし成都の綿里、北京の南鑼鼓巷、上海の田子坊、桂林の陽朔西街を訪れたことがあるのならば、いずれもバー、フライドチキン、工芸品があり、ほとんど同じような雰囲気であることに気づくだろう。

中国青年報の社会調査センターが実施したオンライン調査(回答者数は2001人)によると、回答者の78.5%は現地の風情街を必見の場所としたが、58.3%はこれらの風情街が商業目的に建てられていると苦言を呈した。

回答者は最も印象的な風情街として、上海の田子坊と城隍廟(40.0%)を選んだ。これに続いたのは南京の夫子廟と秦淮河(39.4%)で、3位は杭州の河坊街と宋城(32.4%)。また北京の南鑼鼓巷、成都の綿里、桂林の陽朔、西安の回民街、アモイの中山路、嘉興の西塘などの人気も高かった。

会社職員の王俊博さんの趣味は旅行だ。王さんは現地の風情街を巡るのが好きで、特色あるグルメを探し、現地の商品を購入する。王さんは、風情街は地域文化の象徴であり、風情街が示す文化が自分たちと異なるほど良いと感じている。こうすることで生活への態度を変え、視野を広げてくれるという旅行の意義が感じられるというのだ。

1980年代生まれの陳末東さんは、端午の節句に安徽省黄山市の屯渓老街を訪れた。街全体の建築物や販売されている書道用品には確かに現地の特色があり、教育を重視する古き安徽省の濃厚な雰囲気を感じられる。陳さんは、この文化的特色がはっきりしている街を巡ると、目にするもののすべてが新しい知識であり、多くの収穫を手にすることができると話した。

調査結果によると、回答者の72.2%は風情街を巡る目的を、現地の特色の体験としている。62.7%は現地の特色あるグルメ、54.1%は特色ある工芸品の購入。58.8%は風情街の食事・宿泊・観光の利便性と選択肢の豊富さを肯定し、34.9%は風情街の体験は平凡としている。

風情街が回答者に支持されていない理由は、商業目的の開発(58.3%)、混雑・玉石混交(51.6%)、物価が高く独占的(38.8%)、偽物の販売(32.5%)、どの街も変わらない(27.2%)、衛生状態が悪い(24.4%)、物乞いやスリが多い(19.8%)などとなっている。

回答者の62.0%、「全国各地の風情街はそっくり」

回答者の64.0%は、風情街は人気を高めるため手っ取り早く複製を選ぶとした。50.4%の回答者は、現在の観光業そのものに画一化の傾向が見られると分析した。40.2%は、観光部門が長期的な経営計画を持たず、商業の氾濫を放任していると指摘した。24.3%は、現在の観光客が記念目的の旅行を好む傾向があると判断した。

多くの風情街は現地の特色ある建築物を持ち、人文の息吹が感じられる古い街並みであるが、いかに開発と保護の関係を処理するべきだろうか?回答者の89.9%は、保護を重視すべきとした。52.9%は保護と開発に同時に配慮すべきとし、8.1%は、開発を重視すべきとした。

今回の回答者のうち、2000年代生まれの人は1.5%、90年代は28.0%、80年代は46.1%、70年代は17.8%、60年代以上は6.5%となった。

「中国網日本語版(チャイナネット)」より 2015年9月19日

 

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