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上海タワー、近くパーシャルオープン

 

7年あまり前の着工以来今も建設が進められている、高さ632メートルという中国一の高さを誇る超高層ビル「上海タワー(原語:上海中心大厦)」が間もなく一般公開され、その神秘のベールを脱ぎ、試営業が段階的に展開される。解放日報が報じた。

今後、上海タワーの展望台は、118階と119階に設けられ、人が到達できる最も高い地点となるのは、126階の583.4メートルだ。記者がこのほど126階に上り、タワーの中で最も「神聖・神秘・神奇」な「上海の慧眼」を体験した。

●重さ1千トンの「スーパー・ビッグマック」

「上海の慧眼」の建設専門用語は「動吸振器(TMD)」という。TMDとは、高層建築物が強風などによる高層建築物の揺れを、揺れに同調する「おもり」を利用して抑制する装置で、世界各地の多くの高層建築物は軒並み、TMDが設置されているフロアーを一般開放しており、来場者にとっては見逃せない観光ポイントとなっている。

だが、上海タワーのTMDは、さまざまな点で、他の高層ビルのTMDと異なっている。

まず、高さ30メートルに達する「慧眼」の造形に、見る人は非常な「目新しさ」を感じる。今までに見たこともない外観は、見逃せないポイントだ。重さ1千トンもある「スーパー・ビッグマック」は、「吊り具」「おもり」「減揺システム」「主体構造保護システム」の4つの部分で構成されており、今のところ世界で最も重量の大きい「揺動式」TMDである。「おもり」と「吊り具」がひとつの巨大な複振子を形成しており、それと主体構造が共振することで、建物の揺れを制御することができる。

上海タワー建設発展有限公司のチーフエンジニアを務める葛清氏は、「従来のTMDが、機械の原理を利用していたのと異なり、上海タワーは、世界で初めて、電磁の原理を応用したTMDを導入した。上海材料による同装置の自主研究開発によって、世界のTMDの空白が埋められた。これは技術面でのグレードアップであり、今後、建物内にいる人々の90%が、かなり大きな揺れに対してもそれほど不快に感じることはなくなる。上海タワーは、全国最高レベルの科学普及・教育基地でもある」と話した。

●観客数百人を収容可能なコンサートホール

「上海の慧眼」のてっぺんには、「丸い穴」があり、大空を直接仰ぐことができる。葛清氏は「空に最も近いこの場所に立つと、誰もが心が落ち着く感じがするだろう。上海タワーは今、世界中からオリジナルの音楽作品を募集している。今後、素晴らしいメロディーを聴きながら、人々は、『天人合一思想(人と自然・宇宙との統一感)』における境界を体感することができる」と続けた。

また、上海タワーは、世界中の素晴らしい「自然界の音」が、ここで披露されることを歓迎している。配慮の行き届いた音響学デザインによって、「上海の慧眼」TMDフロアーは、音楽家の創作に対する情熱を満足させると同時に、200人から300人の観客を収容することができる。

●展望台に直行する世界最速のエレベーター

上海タワーは9つの垂直層に分かれており、各層は12階から15階となっている。タワー全体には、エレベーターは154基あり、人や物の垂直輸送を担っている。このうち最も昇降スピードが速いものは、118階と119階の展望台への直行エレベーター3基で、秒速16.83メートルの台北101のエレベーターより速く、世界最速だ。

エレベーターの高速運転による揺れや騒音に乗客が不快感を抱かないよう、エレベーターには、特殊なローラーガイド・流線型カバーが採用されている。このため、動き始めは非常に安定しており、エレベーターの床に硬貨を立てた状態で走行しても微動だにしない。(編集KM)

「人民網日本語版」2016年4月25日

 

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