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習主席とトランプ氏が電話会談、積極的な姿勢示す

 

中国の習近平国家主席と次期米大統領に選出されたトランプ氏が14日に電話会談し、積極的な通話内容となった。習主席の「協力が中米両国の唯一の正しい選択であることは、事実によって証明されている」という言葉は、多くの海外メディアの見出しに用いられた。習主席はさらに、中米の協力には重要なチャンスと大きな潜在力があると強調した。トランプ陣営は、トランプ氏と習主席が通話により、「明らかな相互尊重」を打ち立てたと表明した。トランプ氏は、習主席と「最も力強い関係の一つを構築し、両国関係の発展を促すことができると信じている」と述べた。

今回の通話により、中米関係の移り変わりは重要な一歩を踏み出した。中国の首脳と米国の新首脳の外交接触が、幸先良いスタートを切った。これは人々に今後4年間の中米関係を楽観することを促した。

今回の大統領選は、米国の対外政策の不確定性を意味すると懸念され、米国の同盟国はさらに深刻な焦りを見せた。トランプ氏の政権がまだ発足しておらず、国務長官、国防長官、財務長官などのポストがまだ決まっていない。そのためトランプ政権の実際の外交路線については、今後の形成を待つ必要がある。

トランプ氏については現在も、あまり理解が深まっていない。人々は「経営者のトランプ氏」「大統領候補のトランプ氏」を知るのみで、情報の多くが米主流メディアからもたらされたものだ。ところが大統領選の結果は、これらのメディアのトランプ氏に関する報道と描写が、非常に歪められたものであることを証明した。いかにして「トランプ大統領」を見るかという問題において、従来の情報ルートに完全に依存するのではなく、その影響を断ち切る必要がある。

オバマ大統領は過去8年間に渡り、温和な大統領と認識されてきたが、米国のエリートによる伝統的な政治思想の影響を受けており、世界への理解は主に冷戦時代の経験を基礎としている。ヒラリー氏の外交思想はオバマ大統領を支配していたかのようで、大統領本人が望むと望まざるとに関わらず、米国の実際の行動は西部からロシアの戦略的空間を狭め続け、ゼロサム的な色合いが濃厚な「アジア太平洋リバランス」戦略を打ち出した。これにより政権運営後期の対外政策に多くの矛盾が生じた。

トランプ氏は「政治の素人」で、政権運営の興味は従来の大統領と異なっているようだ。世界への認識も米国の政治エリートに支配されておらず、また米国の実益に対する観点にも政界以外の経営者や市民の立場が反映されている。トランプ氏は、実務的な態度で大国関係を再構築するため一歩を踏み出せる可能性が最も高い、米国の指導者の可能性がある。

世界が変化し、伝統的な大国による政治の駆け引きの基礎的な理由が失われ、あるいは変化が生じているかもしれない。例えば軍事拡張は旧時代の国際政治で流行した手段だが、今日これが再利用されることはない。戦争という主導的な選択肢は、圧倒的多数の国の人々から受け入れられなくなっている。新しい世界の競争、脅威の出処が異なる姿を見せている。しかし過去8年間、さらにはより長い時間に渡り、米国は時代とともに進もうとする意欲を示さなかった。それよりも古い考えと手段により新たな現実に対処しようとしたため、要領を得なかった。

トランプ氏は米国人の注意を、経済・社会の建設に向け直すことで、これを新政権の「中心的な取り組み」にしようとしているようだ。伝統的な政治エリートは、米国経済の内在的支持が不足し、米国の世界貿易が低迷する状況下、米国によって「ルール」を制定すると空虚に叫んでいる。地政学的手段により米国経済の弱みを補い、世界で問題を引き起こすしかない。トランプ氏は米国復興という実務に取り組むならば、経済によって経済を語る必要がある。空母や原潜を、米国経済の繁栄を推進するエンジンにしてはならない。

経済の基本原則は、協力と互恵・ウィンウィンだ。「公平」を巡り異議があっても、ウィンウィンの権威が脅かされてはならない。これは「中国包囲」という身の程知らずの考えや主張と、本質的に異なっている。

オバマ大統領は就任当初より、「核なき世界」という構想を打ち出したが、米国と西側諸国を冷戦思考から脱却させられなかったため、これは単なる聞こえのいいスローガンになった。さらに重要なのは、大国間の平和的競争を確立する安定的なルールが、世界平和を全人類の確かな観測にすることだ。そうすれば我々は新たな世界政治の局面を迎えるだろう。

トランプ氏のキャリアと思想は新しい世界とつながりうるが、トランプ氏がどれほど正しい方を向き歩むかについてはまだ不明だ。米国の政治エリートに丸め込まれるか、米国人からの支持により国政を人々の幸福に向けられるか、今後一連の駆け引きが展開されることだろう。トランプ氏は自身と米国が岐路に立っていることを知っているだろう。彼が古いやり方を続けないことを願う。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年11月15日

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