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ペルーAPEC首脳会議、3つの注目点

 

アジア太平洋経済協力会議(APEC)第24回非公式首脳会議が19-20日、ペルーの首都リマで開かれる。

今年の会議テーマは「質の高い成長と人材開発」。アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)のプロセスをどのように進めるかが焦点となる。中国が提唱する「一帯一路」構想による太平洋両岸の相互連結の促進も議題の一つだ。

注目点一:アジア太平洋自由貿易圏建設の加速化

アジア太平洋自由貿易圏の建設イメージは、2006年のAPECベトナムハノイ会議で打ち出された。2014年のAPEC北京会議で「アジア太平洋自由貿易圏実現に向けたAPECの貢献のための北京ロードマップ」のコンセンサスがまとめられ、アジア太平洋自由貿易圏に関する合同戦略研究に着手して建設プロセスを全面的に進め、自由貿易圏を実現する有利な条件の創造を目指すことで合意。合同戦略研究はすでに完了し、そのリポートが今回の会議で審議される予定だ。

在中国ペルー大使のカルロス・カプナイ氏は先ごろ『新華社』の記者に対し、APECが全メンバー国をカバーする自由貿易圏の建設を推進し、アジア太平洋各国の協調的な経済成長を促進する必要があると指摘。現在、アジア太平洋地域の貿易情勢は分化しており、この状態が続けば、同地域の貿易・投資自由化の目標を達成するのは遥か先になるとの見方を示した。

ペルー通商観光省APEC事務総コーディネーターのフリオ・チェン氏は、「中国の後押しにより、アジア太平洋自由貿易圏の建設プロセスが2014年の北京会議で正式に始まった。今回のペルー会議でも、アジア太平洋自由貿易圏に関する共同戦略研究リポートが承認されるだろう」と話している。

注目点二:質の高い成長と人材開発を目指す

アジア太平洋地域、ひいては世界全体が経済の成長力を欠くなか、今年の会議テーマは「質の高い成長と人材開発」となった。アナリストは、地域経済の一体化が依然としてAPECの中心テーマとなり、食糧安全、中小企業の発展、人材の開発などが経済成長を支える重要な要素になると分析。今年の会議テーマは包括的成長の理念も反映しており、例えば人材開発のテーマが成長プロセスにおける全面的な関与と公平な分配の問題解決を重視していることは、共有経済の理念を体現したものと説明した。

メキシコの国際法学者、イグナシオ・カルタス氏は『新華社』の取材に対し、APEC会議が多方面の政治協議をまとめ、世界経済に新たなエンジンを注入する見込みで、中国がそのなかで重要な機能を発揮するとの見解を示した。

注目点三:太平洋両岸の相互連結の促進

アジア太平洋経済体は、構造改革を通じて経済の潜在成長率を引き上げ、包括的な成長と持続可能な発展を促進する。一方で、アジア太平洋地域の経済成長に十分な原動力を提供するために、交通、通信、金融、人材交流を含む全面的な相互連結を進める必要がある。

カプライ大使は、APECの枠組みのもと、中国とラテンアメリカ諸国が貿易の利便化、アジア太平洋自由貿易圏建設などのテーマで議論と協力を継続することができるとの見方を示した。その上で、ペルーが中国の進める「一帯一路」構想の助けを借りて、中国を含むより多くのアジア諸国と経済・貿易協力を強化したいと話している。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月17日

 

 

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