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南京大虐殺を銘記するのは必須の道義

 

13日は3回目の南京大虐殺犠牲者国家追悼日であり、中国国民は国際社会と共に南京大虐殺の犠牲者を心から哀悼する。(人民日報「鐘声」国際論評)

近年、南京大虐殺に関する世界の認識は次第に深まっている。中国政府は国家追悼日を設け、南京大虐殺文書は国連教育科学文化機関の世界記憶遺産に登録され、関連する多くの展示が海外で行われた。これらによって人々は第2次世界大戦の「三大惨事」の1つである南京大虐殺を知り、考えるようになった。

1カ月余り前、フランスのメモリアル・ド・カーンの館長は南京大虐殺関連の展示で「第2次大戦は事実上、中国の戦場から始まった。中国の人々と日本の人々を含む各国の人々が戦争で大変な非人道的な苦痛を受けた」と述べた。今日、こうした声が広がっていることは、南京大虐殺及び第2次大戦中の中国の戦場に関する人々の理解が深まり、第2次大戦に対する世界の省察が新たな次元へと入りつつあることを十分に示している。

南京大虐殺は79年前に発生し、第2次大戦は71年前に終結した。だが、歴史は時代の推移により変わるものではない。南京大虐殺は世界を驚かせる反人類の罪であり、人類史上大変暗黒な1ページだ。この事実を否定しようとするいかなる者にも、歴史は同意しない。今日、人々が引き続きこの歴史を銘記するのは、正義を守るもの、内心深くの平和への思いと堅守によるものであり、恨み続けるためではない。

少し前に、日本の安倍晋三首相が真珠湾を訪問するとの報道があった。「歴史カード」を掲げたこの外交活動に、ある日本メディアはすぐさま「安倍首相は南京大虐殺記念館に行くべきだ」と指摘した。

メディアのこうした反応は、恐らく日本の歴史問題処理の全体的脈絡の中において、初めてより正確に理解できるものだ。近年、安倍政権を代表とする日本右翼政治勢力は、歴史問題で逆行の兆候を大変顕著にしている。靖国神社参拝、歴史教科書改訂などの問題が相次いで起き、アジア隣国と国際社会は広く問題視している。数カ月前、日本文部科学省が公表した新たな高校教科書の検定結果では、戦争の犯罪行為を取り繕い、南京大虐殺関連の内容を減らすやり方が再び見られた。

こうした中、国際社会は安倍首相の真珠湾訪問が真の意味の「歴史の旅」なのか信じがたく、各方面が戦略レベルからこの行動を注視するのも無理はない。

歴史の真相の改竄は許されず、歴史の記憶を消すことは許されない。歴史は歴史であり、特定の歴史に触れようとしない、触れたくないことは、それが存在しなかったことを意味しない。

米国人が真珠湾攻撃及びその後に起きた太平洋戦争を忘れることはない。東南アジアの国々が日本軍が彼らの故郷を壊滅し、彼らを奴隷的に酷使したことを忘れることはない。中国国民も同様に日本軍国主義による侵略が国と民族にもたらした甚大な災禍を忘れることはない。日本にとって、歴史認識は好きなように取捨選択できる戦略カードではなく、自由に選択できる外交手段ではない。かつての軍国主義による侵略の歴史は日本が誠実に受けとめなければならない整った歴史であり、特定の部分を選択したり捨て去ったりできるものではない。

今日まで南京大虐殺の苦難を銘記するのは、依然として人類にとって必須の道義だ。かつての戦争の発動者、犯罪行為の実行者である日本は、歴史の責任を真に担うことができるのか。この問題は、必然的に世界の注視と判定から逃げおおせない。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2016年12月13日

 

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