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シンガポール・マレーシア高速鉄道 中日独で受注合戦

 

シンガポール政府とマレーシア政府は、両国をつなぐ高速鉄道計画について、法的拘束力を持つ二国間協定を結んだ。東南アジア初の高速鉄道が10年後に誕生することになる。来年初頭にプロジェクトの共同開発パートナーを任命し、パートナーは高速鉄道システムと運営などの管理や技術に関する問題や入札アドバイスを提供する。同時に、同高速鉄道の技術と安全の基準を制定する。また来年の第3四半期に高速鉄道プロジェクトの列車、電力、信号システムなどの設備設計と建造、高速鉄道システム管理などの入札を行う。受注者は2018年末までに決定される。

シンガポール紙「聯合早報」は、高速鉄道プロジェクトはシンガポールとマレーシアの両国関係にとって重要なシンボルになるものであり、両国が二国間協議に署名したことは両国指導者の政治的決意と協力への願いを体現したものだと評価する。同時に、両国の相互依存関係がさらに堅固なものになるとしている。

同高速鉄道は全長350キロで、うち335キロがマレーシアに位置する。残り15キロがシンガポール域内で、合計8駅が設けられる。計画によると、複線で最高時速は350キロ。総費用は120億ドルを見込む。2年後に着工し、2026年末までに開通させる計画だ。完成すれば、マレーシアの首都クアラルンプールとシンガポールを90分で結ぶことになる。これまでは4~5時間を要していた。

マレーシアのサンウェイ大学商学院経済学部の姚金龍教授は取材に対し、マレーシア・シンガポール高速鉄道プロジェクトはASEAN地域の鉄道発展の新時代を切り開くものだと述べる。「この大型プロジェクトによって、両国の国内資本投資とインフラ発展が大きく推進されることになる。長期的には、越境プロジェクトが両国経済を促進させ、経済協力と融合が深まる」。同氏によると、高速鉄道プロジェクトは相互連携と相互交流を深め、往来時間の短縮をもたらし、両国の経済成長力を促進させると同時に、より多くの直接投資や観光客を呼び込めるとしている。

高速鉄道プロジェクトがもたらす投資のチャンスについて同氏は、高速鉄道プロジェクトは潜在的に相乗効果があり、路線都市において不動産開発や観光、交通、食品、その他の商業、サービス業が発展するチャンスになると指摘する。シンガポールとマレーシアは共同入札方式を通じて共同開発パートナーと高速鉄道システム設計、建造、管理企業を委託する。しかし、両国内のインフラ設備と高速鉄道駅の設計や建造、メンテナンスなどについては、両国がそれぞれ建設会社を選ぶことになっている。

数多くの民間企業がこのプロジェクトに参与することになる。シンガポール南洋理工大学ラジャラトナム国際研究院の張家菘副教授によると、今後は技術協調問題が生じる可能性があるという。同研究院は、今年7月に発表したレポートで、シンガポール・マレーシア高速鉄道の推進によって直面する可能性のある問題や障害(たとえば鉄道沿線の政治環境や運営管理、テロリストの脅威など)について研究している。その一方で張家菘氏は、「高速鉄道プロジェクトはシンガポールとマレーシアを大きく成長させるだろう。一般的に見れば、高速鉄道が直接つながる国はどこも政治的に友好的だ」と述べる。

中国、日本、フランス、スペイン、ドイツなどの鉄道企業が同高速鉄道プロジェクト入札への参加を表明している。シンガポールとマレーシア両国は現在、入札手順の詳細について明らかにしていない。シンガポールのリー・シェンロン首相は13日、取材に対し、「数多くの企業が入札に応じる意向があることを知っている。おそらく受注合戦は激しいものになるだろう」と述べている。マレーシアの関係者は「入札者が示す融資計画も評価対象に入るだろう」と述べる。建造までの期間はまだ10年ある。張家菘氏は、「高速鉄道プロジェクトは中国鉄道企業にとって大きな投資のチャンスだ。“一帯一路”の目標を東南アジアでより明確に示せる」と述べる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月21日

 

 

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