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新たな産業革命、中国は「追走者」から「トップランナー」へ

 

新たな科学技術革命と産業革命が起こりつつあるなか、主要国は相次いで技術革新と新産業の育成に向けた支援策を打ち出している。歴史を振り返ると、これまでの産業革命は、いずれも後発国が「コーナー追い越し」の戦略的チャンスを掴み取っている。米国は電気革命を機に世界最大の経済大国となり、日本はIT革命で工業強国となった。今まさに起こりつつある新たな産業革命も例外ではない。中国は世界のバリューチェーンの拡大と産業「大国」から「強国」への転換を実現する重要な歴史的チャンスを迎えようとしている。

中国は新興産業とハイエンド産業、ひいては先端産業発展の基盤と条件を備えている。近年、中国の技術開発に関する投資規模と特許件数、論文発表数などはいずれも世界でトップクラスにある。高速鉄道、原子力発電設備、通信設備などの関連産業は世界で先端水準にあるほか、量子通信などの新興技術は世界をリードしている。また、高等教育の発展により多くの科学者やエンジニアが育成されたことで、中国の科学技術のイノベーションは先進国に比べて労働コストの面で高い優位性を持つことになった。このほか、新興産業の技術基準の形成は利用者の規模に左右される。ある技術について、その利用者が多ければ多いほど、その産業で暗黙の共通基準となりやすい。巨大な人口規模と産業規模は、中国が主導する新産業の技術標準の形成促進に非常に有利に働く。

ニューエコノミーはいま、S字曲線の発展加速の段階にあり、中国の産業が世界に追い付き追い越そうとする好機に差し掛かっている。新たな科学技術がまだ充分に成熟していないうえ、急速な変化の途上にあるため、産業のドミナントデザインと技術標準の形成も不十分だ。先進国が中国と同じように技術発展の不透明性に向き合っても、特段の優位性は無い。今後、中国が低コストのイノベーション、整った産業基盤、巨大な市場規模を武器に、新たな科学技術のブレークスルーを実現し、新産業の市場を育成する可能性は十分にある。中国はその時、世界の科学技術の「追走者」から「同行者」へ、さらには「トップランナー」となる。そして新標準、新産業に関する発言権が強まり、主導権を握ることになる。(筆者:李暁華、中国社会科学院工業経済研究所研究員)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月17日

 

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