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日本の家電再処理工場 資源利用の最大化を実現

 

ペットボトルを捨てる時にはいくつかの手順があり、ゴミを出す時には時間に気をつけなければならず、古くなった家電製品を捨てるにはお金がかかる……日本の資源回収システムは資源利用の最大化をほぼ実現しているといえる。このほどパナソニックの家電再処理工場を取材したところ、冷蔵庫やテレビなどの廃棄家電がどのように「利用され尽くす」のかを目の当たりにすることができた。「重慶晩報」が伝えた。

▽ロボットがネジを取り外し

茨城県にあるパナソニック環境エンジニアリング株式会社では、エアコン、テレビ、洗濯機、冷蔵庫をはじめ多くの廃棄家電を処理している。同社はパナソニックと三菱マテリアルが2005年に合弁設立したもので、解体、粉砕、精製を経た各種プラスチック・金属資源は両社に提供されるだけでなく、外部へも販売されている。

防塵マスクと帽子を装着して工場の廃棄家電解体回収エリアに入った。背面のカバーが取り外された液晶テレビがベルトの上をゆっくり進み、ロボットが内部のネジを1本1本取り外していた。2体で1組になったロボットが1日あたり約300台の液晶テレビからネジを取り外すという。

廃棄冷蔵庫の解体処理エリアに行くと、労働者たちが内部のプラスチック部分を取り出して単独で破砕処理するほか、全身防護服の労働者が冷媒のフロンを注意深く取り出していた。冷蔵庫はさらに密閉された空間に運ばれ、そこでは労働者がレーザーを利用して切断作業を行っていた

解体された廃棄家電のプラスチック、銅管、鉄板などは分類されて近くの工場で粉砕精製処理される。プラスチック製品は第一段階の粉砕処理が終わると、天井近くに設置されたパイプラインを通って隣の工場に直接運ばれ、高精度の分別装置によりPP樹脂、PS樹脂、ABS樹脂などに分けられて再利用される。エアコンに使われた銅板は大型粉砕機に送られ、ロボットが鉄、銅、アルミなど各種金属を取り出すと、銅の塊が次々に機械の下にある袋の中に落ちていく。この分別作業を経た銅の純度は99%に達するという。

▽家電リサイクル法が制定

パナソニック環境エンジニアリング社の社長によると、「日本では毎年1800万台から2千万台の廃棄家電が発生する。この総量の大きな廃棄物の中には大量の鉄資源、銅資源、アルミ資源などが含まれている。1998年に国は『家電リサイクル法』を制定し、家電メーカーは資源の回収再利用を行わなければならないと定めた。同法の規定により、15年には冷蔵庫の再利用率は70%に達し、家庭用エアコンは80%、洗濯機は82%以上に達した」という。

日本では廃棄家電は売ってお金に換えることができないだけでなく、回収処理してもらうためのチケットを買う必要もある。同社長は、「日本の細かく分かれた回収システムはコストが高くつくが、資源利用の最大化を促進することになり、環境保護を最大限に実現するものだといえる」と話す。(編集KS)

 

「人民網日本語版」2017年2月24日

 

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