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朝鮮半島情勢の緊迫に乗じて目的を達成する日本

 

ロシアの通信社スプートニクによると、改定「物品役務相互提供協定(ACSA)」が日本の参議院本会議で14日承認された。同協定は米国、英国、オーストラリアの軍隊への物品提供を認めている。朝鮮半島情勢が緊迫の度を増す中、同協定によって集団的自衛権の拡大を図る日本の意図は明々白々と言えよう。人民日報海外版が伝えた。

■時機を捉えて協定承認

新しい日米ACSAは主として自衛隊による米軍への後方支援を拡大し、同盟関係を強化する内容だ。読売新聞によると、協定発効により自衛隊は米軍への弾薬提供、発進準備中の戦闘機への給油、水その他軍需物資の提供が可能となる。

読売新聞によると、これまでは日本が直接攻撃を受けない限り、米軍への弾薬提供は禁止されていた。だが新協定によって、朝鮮の弾道ミサイル発射に備えるため日本海公海で警戒に当たる米軍艦船への支援が可能となる。現時点で日本が実際にこうした後方支援を行う可能性は高くないが、不測の事態に備えるため、事前に自衛隊の活動範囲と権限を拡大する必要があった。

日本と米国は昨年9月、改定ACSAに署名した。岸田文雄外相は協定について、米日協力のより順調な実施にとって極めて重要との認識を示した。日本は今年1月に英国、オーストラリアとも協定に署名した。

■戦略全体に寄与

緊迫の度を増す朝鮮半島情勢は日本に協定承認の口実を与えた。産経新聞は、朝鮮の脅威のため日本は安保法制の改正を進める必要性があるとした。英紙フィナンシャル・タイムズも、安倍晋三首相が14日に国会で、化学兵器を搭載した弾道ミサイルによる攻撃能力を朝鮮がすでに備えている可能性があると述べたことに触れ、日本は対朝圧力への国民の支持を得ようとしていると報じた。安倍首相は「われわれは当然平和的解決を望んでいるが、朝鮮が核実験とミサイル開発を止めるどころか、反対に能力を高めてきたという現実がある」と述べた。

外交学院国際関係研究所の周永生教授は人民日報海外版の取材に「今回の参議院による協定承認は実際には集団的自衛権行使容認戦略の一部であり、朝鮮半島危機はまさしく日本に軍事力発展の口実を与えた」と指摘した。

朝鮮半島情勢の直接の関係国である韓国では、朝鮮半島情勢の緊張を公然と誇張する日本の真の意図に疑問の声が上がっている。韓国「国民日報」は、安倍首相と稲田朋美防衛相が朝鮮による化学兵器攻撃を持ち出したのは、典型的なオポチュニズムだと指摘。日本の現政権は対朝抑止力の強化を口実に、再武装を段階的に実現しつつあるとした。韓国「中央日報」は、朝鮮半島情勢問題における最近の日本政府の発言は驚きであり、自らの想定する「朝鮮半島の不測の事態」への対応態勢を強化しつつあるようだと論じた。

■野心満々

周氏によると、ACSAは米英豪3カ国と日本との間の軍事協力を体制面から一層強化し、自衛隊の世界展開に資する。「協定実施後、海上自衛隊は欧州または米国へ向かう場合、これらの国々との間で作戦物資の調節を行うことができるようになる。また、NATO加盟国と武器制度を統一することで、日本は一層の軍事力強化の機会を得る」。

読売新聞によると、協定は自衛隊と米軍との間の機動的連携の基盤となる。また、日本と英国・オーストラリア間の相互信頼関係も大幅に強化される。協定承認後、自衛隊は直ちに実際の行動を展開できる。

「長期的に見ると、日本には野心があり、米国のコントロールから抜け出して、北東アジア地域で中露を牽制することを望んでいる」と周氏は述べた。(編集NA)

 

「人民網日本語版」2017年4月18日

 

 

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