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「一帯一路」建設で加速する中国企業の海外進出 保護貿易主義打破を目指す

 

中国国家統計局の調査統計によると、「政策の意思疎通」、「インフラ施設の連結」、「貿易の円滑化」、「資金の調達」、「民心の通じ合い」のうち、「一帯一路」(the belt and road)の建設参加において最も関心を寄せているものは何かという質問に対して、「貿易の円滑化」と答えた企業が過半数の54.8%を占めた。次に多かったのは「政策の意思疎通」で約3割、「資金の調達」も20%以上だった。 人民網が報じた。

「『一帯一路』国際協力サミットフォーラムは、企業にどんなメリットをもたらすか?」との質問には、9割以上の企業が「海外市場の一層の拡大」と答えた。また、「投資の機会が増える」、「企業のモデル転換、高度化の促進」との回答も多かった。

中国企業の海外進出が加速

中国が「一帯一路」イニシアティブを打ち出してから3年以上が経ち、既に多くの成果をあげている。その過程で、中国企業が海外進出し、「一帯一路」の建設をサポートするための重要な一環となっている対外直接投資が加速している。

統計によると、ここ3年、中国の「一帯一路」関連国・地域に対する投資は右肩上がりとなっており、500億ドル(約5兆6500億円)を超えた。2016年の投資額は計140億ドル(約1兆5820億円)以上で、それらのプロジェクトは好調となっている。「中国対外直接投資と国家のリスク報告(2017)」によると、17年、中国の「一帯一路」関連国に対する直接投資のフローとストックはそれぞれ236億ドル(約2兆6668億円)と1603億ドル(約18兆1139億円)だった。

投資は現地の経済成長を促進し、雇用を創出している。統計によると、16年末の時点で、中国企業が「一帯一路」関連国で立ち上げた連携エリアが56あり、投資額は累計で185億5000万ドル(約2096億円)。それらのエリアに進出している企業は1082社で、総生産額は506億9000万ドル(約5728億円)、現地国で収められた税金は10億7000万ドル(約1209億円)、現地で計17万7000人の雇用を創出してきた。

「一帯一路」イニシアティブが保護貿易主義を打ち破る

投資の規模が急速に拡大し、企業の海外進出が加速しているのを背景に、貿易の自由化を一層促進し、保護貿易主義が一帯一路の建設の足を引っ張るのを防ぐことが、一帯一路の建設に参加しているコミュニティの共通の努力目標となっている。

今月10日、中国国務院新聞弁公室は、「貿易円滑化」の推進や「一帯一路」の貿易協力の状況を説明する記者会見を開催した。商務部(省)合作司の責任者である張幸福氏は、「対外投資協力は『一帯一路』建設において重要な位置を占めるものの、企業が海外進出をする過程で、さまざまな問題や課題に直面するのは避けられない。それらの問題やリスクには、政治、経済、法律、社会、安全、さらに、企業の経営などの面が含まれていると認識している」との見方を示した。

「保護貿易主義」が、企業が海外進出する過程で直面する大きな問題の一つだ。

10日の記者会見で、商務部の銭克明・副部長は、「『一帯一路』イニシアティブは、保護貿易主義を打ち破り、沿線地域の発展、経済の一層のグローバル化などにとっても重要な意義を持つ」と語った。

「一帯一路」イニシアティブが打ち出されて以降、それに参加するコミュニティはスムーズな貿易に力を入れている。今年に入って以降、スムーズな貿易を促進させる歩みは明らかに加速した。商務部が今年行った数回の定例記者会見で、保護貿易に何度も言及された。例えば、2月9日に同部の孫継文・報道官は、「海外進出する企業は、自身の合法的権益を積極的に守り、世界貿易機関(WTO)の関連の規則や法律を武器に我々の利益を積極的に守るべきだ」との見方を示した。

保護貿易に対処し、権利を守るよう企業を積極的にサポートするほか、政治的ルートなどを通して、スムーズな貿易を一層促進できるかが今年最大の課題だ。 今月6日に開催された第20回ASEAN+3(日中韓)財務大臣・中央銀行総裁会議で、日中韓は「保護貿易主義」に反対する共同声明を出した。 (編集KN)

 

「人民網日本語版」2017年5月12日

 

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