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中国の「アジア安全観」、シャングリラ会合で好評

 

シャングリラ会合(アジア安全保障会議)に出席した、スリランカ国家安全保障研究所のアサンガ代表者は、記者に対して「中国が打ち出した共同・総合・協力・持続可能のアジア安全観は、アジア太平洋が直面しているさまざまな課題にとって非常に重要だ」と話した。

「共同」の安全観

第16回シャングリラ会合が4日、シンガポールで閉幕した。各国の代表者は会期中、アジア太平洋の安全協力と地域の重要問題について議論を展開した。今年の会合の重要なキーワードは、秩序だ。

中国代表団団長、軍事科学院副院長の何雷氏は会期中、中国の安全の主張を改めて説明した。「中国は近年、人類運命共同体の構築を打ち出し、共同・総合・協力・持続可能のアジア安全観を提案している。国際関係における安全の苦境を乗り越えるため、アジア太平洋の安全協力の新モデルを構築し、アジア太平洋の恒久の平和を守るため斬新な方針をもたらした」

アサンガ代表者は「何氏の発言は印象的だった。会場の内外において、中国が打ち出したアジア安全観については、地域の賛同が強まっている」と指摘した。

中国軍事科学院副研究員の張露氏は「この安全観への賛同が強まっている最も重要な原因は、共同の利益の強調にある。アジア安全観の重要な理念は、人類共同の利益の強調、つまり他国の利益と安全への関心にある。これはすべての人が共有し、利益を得ることのできる安全メカニズムだ」と述べた。

同氏はこれに賛同し、「中国が提唱する共同の安全には、相互尊重と各国平等の理念が含まれ、各国が広く受け入れられる価値観だ」と話した。

「実践中」の安全観

多くの出席者は、今年のシャングリラ会合は昨年と比べ穏やかだったと判断している。例えば昨年は南中国海をめぐり争いが生じたが、今年は目立った乱れがなかった。張氏は「この現象は中国が提案するアジア安全観が、地域内で積極的な効果を発揮していることを側面から反映している」と分析した。

張氏は「中国はこの1年に渡り、関連国と共に『南中国海各方行為宣言』を履行し、『南中国海各方行為準則』枠組みの形成を促してきた。中国は現在、建設的な貢献を拡大している。例えばASEAN諸国と準則枠組みをめぐり共通認識を形成し、フィリピンなどの国と建設的な協議を行っている。これらの実務的な取り組みにより、自ずと穏やかさが増した」と指摘した。

張氏は「過去1年余りの実践を見ると、中国が打ち出した安全の理念は実践と合致しており、多くの積極的な化学反応を起こし、地域安全の多くの食い違いが解消され始めている。これは中国が打ち出した安全の理念が客観的な実情に合致するためであり、中国の手段で地域に共同の利益をもたらすことができる」と述べた。

「時代」の安全観

このアジアの安全をテーマとする会合の会期中、各国代表者は中国が提唱する「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)と、中国のアジア安全観の関連性について言及した。

シンガポールのウン・エンヘン国防相は4日の会合中、この提案について長く言及した。「シンガポールは一帯一路を強く支持し、多くの関連建設プロジェクトに参与している。安全・安定と繁栄・発展は相互補完する。これは私が安全フォーラムの演説を、貿易から始めた理由である」

ウン・エンヘン国防相の発言は、「持続可能な安全」という概念と合致した。何氏は「持続可能な安全は発展と安全を共に重視し、恒久の安全を実現しなければならない。各国は発展のテーマをめぐり、国民生活を積極的に改善し、貧富の格差を縮小し、安全の基盤を絶えず強化するべきだ」と話した。

アジア安全観で触れられた「持続可能な安全」は、時代の特徴を突いている。

同氏は「地域内の多くの国が貧困に直面している。これはテロなどの安全の脅威の根本的な原因だが、持続可能な発展はこれに向けられた対策だ。中国が推進中の一帯一路の建設は、地域安全の促進に対しても重要な力を発揮している」と述べた。また中国が建設支援中のスリランカ高速道路を例に「一帯一路は多くの国の経済発展を促進しており、貧困や社会問題などの安全問題の対応も促す」と指摘した。

何氏は「中国が打ち出したアジア安全観は、グローバル化、平和・発展・協力・ウィンウィンの時代の流れに合致している。安全の課題に共に取り組む各国の切実な需要を示しており、アジア太平洋の安全協力に向け新しい、幅広い前途を切り拓いた」と述べた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月5日

 

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