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米国「301調査」を発動、中米貿易関係への影響はいかに?

美国時間18日午後、ロバート・ライトハイザー米通商代表は、米『1974年通商法』第301条に基づき、技術移転、知的財産権及びイノベーションに関する分野で、中国に対して正式に貿易調査を発動すると発表した。

米国が発動する「301調査」は、どのような分野にどの程度の影響を与えるのか?

業界関係者は、中国に対する「301調査」の発動は、いかなる好ましい結果ももたらさず、貿易報復措置が一旦引き起こされると、米企業の利益も被害を受けると指摘した。国際金融協会(IIF)がこのほど発表した報告によると、米国と中国の間で貿易戦争が起こると、中国企業の利益が被害を受けるだけでなく、米小売企業など、原材料サプライチェーンや卸売業者の利益も被害を受けることになる。

米国のこうした行為は、米国の消費者にとってもプラスにはならない。米中ビジネス協議会(USCBC)が以前発表した報告によると、中国製品の米国への輸出により、米国の物価水準は1-1.5ポイント下落する。2015年、中米貿易は、米国の一般家庭の年間出費を平均850米ドル以上も引き下げたのだ。

中国商務部研究院区域経済協力研究センターの張建平主任は、「米国側が貿易戦争を起こすなら、世界の貿易にマイナスの影響をもたらすだろう。」と述べ、現在は世界のバリューチェーンが提携する時代であり、一つの製品の原材料と組立がしばしば異なる国で行われ、中国は多くの国から半製品や原材料を輸入しており、もし貿易戦争となるなら、これらの関連する国も影響を受けることになると指摘した。

同主任は、次のように述べた。米国が引き続き調査を続けるなら、中国は世界貿易機関(WTO)のルールにのっとって問題を解決する一方、相応する報復措置を採ることになる。米国の中国への輸出市場は大きく、大豆や自動車、航空機などの製品が関係しており、中国は違反調査や輸入代替を検討することもできる。「米国は貿易戦争の結果が双方にとっての損失となるだけであることを認識するべきだ。」

対外経済貿易大学の王直教授は、国際ルールを使用するほか、国内で発表されているイノベーションや知的財産権保護などを支持する政策をどのようにより良く実施し、実際の効果を上げるかに注目しなければならないと考え、また、中国は「世界の工場」から「世界の本部」への転換に努め、研究開発や生産、販売などの段階におけるグローバル化を進めて初めて、「301調査」などの手段による影響を極力避けることができるとみなしている。

(新華社より)

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