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CCIDコンサルタント 通信産業研究センター 余周軍
日本の通信キャリアの海外市場開拓と企業の実力におけるアンバランス現象
世界の通信サービス市場から見れば、ヨーロッパ、アメリカ、韓国など、通信業先進国の通信キャリアは、国内市場の過当競争、企業内の利潤の可能性の絶え間ない縮小により、海外市場への直接投資に続々と狙いを定めている。南アメリカ、アフリカ、およびアジアなどの新興市場は、通信サービスにおける大企業の第一の選択になっている。資金力と通信サービス業の経験の蓄積により、先進国の主な通信キャリアは新興市場において巨大な収益をあげており、スペイン通信キャリアの大手テレフォニカの南アメリカ市場における成功がその例証である。
しかし、モバイル通信の迅速な発展によって推し進められる通信業の素早い発展のなか、日本の通信キャリアの海外における大きな動きは、ほとんど目にすることがない。
日本の通信市場は、高度に発達している。NTTドコモなどを例にみると、2002年、世界で初の3G方式のサービスを開始し、iモードとFOMAのマッチングは新しいプラットフォームを発展させ、彼らが主導する通信サービスネットワークの名声は轟いている。日本の通信キャリアは、企業の実力、経営理念において世界のトップクラスである。しかしながら、その海外市場でのプレゼンスとそれは、かなりアンバランスである。
中国市場は、日本の通信キャリアの海外投資における最も重要なパートとなる
その原因を突き詰めると10年前のNTTドコモの海外投資の失敗にある。1999年末以来、NTTドコモは海外の通信会社に積極的に投資し、アメリカ、ヨーロッパ、アジアの5社のモバイル企業に1兆9千億円を投じた。しかし、バブルの崩壊は、2001年のNTTドコモの海外投資に関し、1兆1千万円の巨額の損失をもたらした。同時期、国内の競争相手の出現により、日本通信市場を制していたドコモは国内市場を注視するようになった。
新しく訪れた3Gの時代には、ドコモの海外戦略は変化し始めた。2007年11月、ドコモは最少でも10億米ドルの資金でベトナム第2のモバイル通信サービス企業MobiFoneの株式を取得し、そのうえにアジアの市場においても投資を行い、これらの地域でiモードサービスを推進する計画を発表した。そして、全世界で最も早いスピードでモバイル市場が発展している中国は、その狙うところの最も大きな市場である。
実際のところ、国外の通信キャリアは海外市場の開拓にあたり、戦略を練り、スペインの通信キャリアは、言語体系の近い南アメリカ市場を開拓し、韓国SKテレコムはアジアで市場を開拓している。注目したいのは、SKテレコムは、通信業界再編前の中国聯通(チャイナユニコム)の重要な合作パートナーであり、CDMA2000の事業運営に際し、先進的な経験があるからこそ、このようなパートナーシップが組めたのだ。
中国市場参入の最初のステップは、業務レベルの協力
中国通信市場の監督管理政策は、外資の中国市場への参入を困難なものにしている。通信キャリアは、中国のすべての通信産業において利益レベルが最も高いものであり、また中国通信キャリアの総合利潤率は、全世界の平均水準をはるかに超える。中国の巨大な通信市場により、中国の通信キャリアに資金不足はなく、ほかの業種のように海外からの直接投資により速やかに産業の発展を促す必要もない。実際のところ、中国移動(チャイナモバイル)は、世界的にみても最も稼ぎのいい企業となっている。
通信業界再編後、中国の3大通信キャリアの算定は、世界の同業のなかで最も低いものであり、世界の通信キャリアがその株式の売買にあたり、有利な状況となっている。NTTドコモなど日本の通信キャリアが、SKテレコム、テレフォニカなどの方式で中国市場に参入するのは、易しいものではない。けれど、仔細に研究すれば、通信業界再編が日本の通信キャリアにとっては、多少回り道ではあるが、さらに価値のある方法をもたらしていることがわかる。
中国の通信業界再編の主要な目的は、通信市場において力の拮抗する3企業を形成し、中国通信市場における良質な競争を促すことである。その副産物として、3企業に対し、3G方式の営業許可がもたらされている。最終的な結果として、中国移動がTD-SCDMA方式を、中国電信(チャイナテレコム)がCDMA2000方式を、中国聯通がWCDMA方式を獲得している。
通信業界再編の客観的な結果として、中国移動が依然として実力的には勝っているにせよ、未来の市場の競争が激しさを増すのは間違いない。中国通信市場の発展の形勢から考察すると、未来の市場の競争は2方向に向っている。
一つは、モバイルネットワークを核心とする3G業務であり、もう一つは、通信キャリアのICT(情報、通信に関する技術)業務である。そしてこの2項目は日本の通信キャリアが長じる領域である。
3G業務に関し、日本の通信キャリアの経験は疑うものもなく、消費の習慣が近い中国市場は、日本の通信キャリアにとって有利な戦いの場となる。
ICT業務においては、NTTを例にとれば、NTTが設立したNTTデータは、政府、金融および工業の領域における大型、中型企業を顧客とし、ネットワークを建設するだけでなく、各レベルにサービスの集積を提供し、また顧客のためにネットワークとIT系統のプランニングコンサルタントを行い、システム設計、開発、システム構築と維持管理、ソフトの請負いなどのサービスも行う。これこそ、中国の通信キャリアの発展段階において火急に必要とされるものである。
中国の通信キャリアのこの2項目における不足により、日本の通信キャリアは中国市場に進出するにあたって、優位な基礎を築くことができる。
これらの業務面において、中国の通信キャリアと共同で企業、または試験機関を設立し、中国の国情にそった通信業を開発することは、日本の通信キャリアが中国通信市場に参入する最初のステップとなる。
中国移動は、世界最大のGSM/GPRSネットワークを運営しており、産業ネットワークにおける抑制力は強大である。NTTドコモも産業チェーンを支配し成長させるエキスパートである。中国聯通がWCDMAネットワークを始めるが、NTTドコモは、WCDMAの最初の経験者である。また中国通信がCDMA2000の運営を始めようとしているが、KDDIはNTTドコモとの競争において深い経験を積んでいる。中日両国の通信キャリアには、全面的で各領域にわたる協力の可能性があり、将来的に多大なる価値を持つであろう。
中日双方の通信キャリアの協力は、利益交換の原則を遵守するべきである。日本の通信キャリアが先進的な運営経験をもって中国の国情にそった通信業務を開発すれば、中国通信事業の持続的で速やかな発展に利すると同時に、やがて日本の通信キャリアは巨大な利益を獲得できる。
NTTドコモは、中国の地理インフォメーションネットワーク、企業のモバイルネットワーク化、デジタルメディア、モバイル決済など数多くの領域における増価業務に関する投資を行っているが、現在必要なのは、中国の通信キャリアとの直接的交流により、さらに深い協力を築くことである。
KDDIは中国市場にも深い興味を示している。2008年9月、国務院法制弁公室が公布した『外国企業の電信企業投資における規定』のなかでは、外国企業が中国の通信企業に投資するにあたり、これまでの20億元の下限が10億元に引き下げられている。
これは海外の通信キャリアにとって、間違いなく励ましであり、中日の通信キャリアにおける合作は、中国の通信業界再編の契機のもと、ブレイクスルーの可能性が開かれている。
人民中国インターネット版 2008年11月7日
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