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ともに努力して、中日両国の戦略的互恵関係の新局面を切り拓こう

中国人民外交学会と財団法人世界平和研究所の共同提案

2008年5月、北京で開かれた中国人民外交学会と日本の世界平和研究所共催のシンポジウム(写真・林崇珍)

『中日平和友好条約』締結30周年を記念するために、中日両国の指導者が調印した『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』の中の「両国の民間団体の交流を幅広く展開する」精神に基づき、中国人民外交学会と財団法人世界平和研究所はこのほど北京で「『中日平和友好条約』締結30周年を記念するシンポジウム」を共同で催した。出席者は過去一年余りの間に両国指導者が4回、相互訪問したことを高く評価し、また、2008年5月に両国が共同で発表した『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』の内容に対し、賛同を表明した。

中国人民外交学会と財団法人世界平和研究所は、経済のグローバリゼーションと地域経済一体化がいっそう発展するという大きな背景の下で、中日関係は、過去のどの時よりも戦略的で世界的な意義を持っており、双方が戦略的な高みから、長い目で、前向きにかつ客観的に互いの発展に対処しさえすれば、両国の各界の共同努力を通じ、中日関係の未来はいっそうすばらしくなるに違いないと考える。

中日両国の重要な国民外交機構として、またシンクタンクとして、中国人民外交学会と財団法人世界平和研究所は互いの交流と協力を強め、中日関係と地域問題について深く研究討論を行い、それを両国の政府に適時、建策することが必要だと考える。双方は民間の立場から、中日の戦略的互恵関係の発展を全面的に推進し、中日関係の新局面を切り拓き、地域の永続的平和を達成し、東アジアの一体化のプロセスを加速させるために、ともに貢献する決意である。両機構は『中日平和友好条約』『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』の関連する内容に基づき、十分に協議したうえで、以下の提案を共同で提起する。

一、両機構は、『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』を積極的に支持し、中日友好の大局を擁護し、中日国交正常化以来、両国政府が達成した各項の重要な共通認識を基礎とし、時代の流れに順応し、世界的、地域的な高みに立脚し、中日友好関係の安定的発展を全面的に推し進めることを表明する。

二、両機構は、両国の政府が「歴史を正視し、未来に目を向ける」精神に基づき、すでに達成した各項の共通認識と合意を着実に実行し、すでに始まった中日の共同歴史研究を引き続き進め、その研究成果を教育と交流の中で具体化し、それによって両国関係の健全な発展に利することを期待する。

三、両機構は、両国間で締結した文書や『国連憲章』、国際法、国際関係の基本的準則を基礎とし、対話と協商を通じて両国間の矛盾やトラブルを平和的に解決することは、両国関係の安定した発展を確保する基本的前提である、と考える。そのため両機構は、民間の非政府組織のリーダーの交流促進に力をいれ、相互訪問やシンポジウムなどさまざまな形で、政府が対話によって中日間の各種の問題を解決するために、適切な時期に調査研究の成果や根拠を提供する。

四、両機構は、中日経済は補完性が強く、両国は相互投資や貿易協力を深め、それぞれの貿易や投資環境を改善するようつとめ、また、優位性の相互補完や「ウイン・ウイン」の原則に基づいて、不断に新しい協力分野を掘り起こし、協力の広さと深さを拡大し、実務的な協力によって、両国関係の持続可能な発展を促すべきである、と考える。

五、両機構は、両国民が歴史の中で学び合い、互いに参考にし合い、相互に交流するという伝統を受け継ぎ、人的往来を拡大し、相互理解を増進すべきことを強調する。両機構は、両国の民衆の交流を促進するうえで、積極的な役割を果たし、戦略的互恵関係の民意の基礎を固めたいと思う。

六、両機構は、両国政府が安全保障分野での対話と協力を強め、安全保障の相互信頼を増進し、伝統的な安全保障分野で、引き続き防衛面での交流を強化し、相互理解を深め、思いがけない突発事件の防止のための緊急連絡メカニズムを建設し、非伝統的な分野での協力を拡大するよう提案する。

七、両機構は、六者協議や朝鮮半島の非核化プロセスなどの問題に関心を寄せ、この基礎の上に両国政府と協力し、共同で北東アジアの持続的平和のメカニズム建設を推進する方策を共同で検討する。多分野の、さまざまなレベル、さまざまなルートの地域協力メカニズムを創り出し、発展させるため、関係各方面が連合し、東アジア一体化の推進に、共同で積極的な役割を果たすことに同意する。

八、両機構は、両国政府が両国の民間機構がエネルギーや環境、水資源、気候変動などのグローバルな問題について対策や提案を出すことを奨励し、切実で効果的な措置をとって協力を深め、成果を分かち合い、両国民に幸せをもたらすとともに、国際社会に貢献することを希望する。両国政府が「重大な自然災害に共同で対応する専門家チーム」の設立を検討し、天災への対応や災害被害の軽減に関する対策をともに検討するよう提案する。

中国人民外交学会

財団法人世界平和研究所

2008年10月23日

世界平和研究所

開かれた政策研究提言機関として、1988年6月、総理府、防衛庁、経済企画庁、外務省、大蔵省及び通商産業省の6省庁を主務官庁とする財団法人として発足。国際社会が直面する重要課題について、自由な立場から深く考察し、創造的かつ建設的な提言を内外に広く発信する。

中国人民外交学会

周恩来総理の提唱のもとに、1949年12月に発足。世界情勢や国際問題、外交政策を研究し、各国の研究機関や社会団体、及び政治活動家、学者、著名人と交流して、中国と各国の友好協力関係の構築と発展を促進する。

 

 

人民中国インターネット版 2008年12月

 

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