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随想 世界とつきあう(1) 人に「人縁」あり、国に「国縁」あり

 

職場や隣近所で「人縁(人受け)がよい」と言われる人は、謙虚に人に接し、責任感があり、信用を重んじ、人助けが好きで、周囲の人との関係が良いので皆に好かれる。孔子の弟子の曾子は「吾、日に三たび吾が身を省みる。人の為に謀りて忠ならざるか、朋友と交わりて信ならざるか」と述べたが、これを自分自身に要求する人は間違いなく「人縁がよい」人である。

国も、他の国に対して平等に対応し、世界に対して責任感を持ち、国内は民族が団結し、社会が進歩していれば、世界に良いイメージを持たれ、各国から尊敬される。こうした国は「国縁がよい」国と言うことができる。

世界が多極化し、経済がグローバル化している今日の世界では、「人縁」と「国縁」はともにきわめて重要である。もし国際貿易を業としている会社が信用を重んじ、扱う商品の品質が良く、価格も安く、すぐに代金を支払うなら、その会社の信用度は高まり、国際貿易にかかるコストは低くなる。同じ理屈で、国も「国縁」が良ければ、国際社会の中で、かなり大きな影響力と吸引力を持ち、すべてのことがみな、簡単に成功する。

中国は「調和のとれた社会」を建設しようとしているが、そればかりでなく、「調和のとれた世界」をつくるために貢献しようとしている。昨今、中国が強大になれば、他の国の脅威となるとひたすら宣伝する人がいるが、こうした論は実際とは違っているので、いまだに世界の大多数の人々から認められていない。

2007年3月、米国の『ニューズウィーク』誌は、中国の国際的声望が日増しに高まり、世界の普通の人々の中国に対するイメージは米国よりよいと報じたが、これは一部の外国人の予想を大いに裏切るものであった。

中国が「国縁がよい」というのは自画自賛ではないし、無理をして根拠もなしに「つくり上げられた」ものでもない。中国政府とすべての中国人がその言動に表裏がなく、長い試練を経て勝ち得たものである。 私たち中国人は常にこう言っている。「人心は秤であり、物差しである。権ればその軽重を知り、衡れば長短を知る」と。複雑に入り乱れた世界の中で、人々は根本的な是非の問題に対して「まず権衡し、そして判断している」のである。(趙啓正=文)

趙啓正

 

 1963年、中国科学技術大学核物理学科卒業。高級工程師などを経て1984年から中国共産党上海市委常務委員、副市長などを歴任。

 

 1998年から国務院新聞辦公室・党中央対外宣伝辦公室主任。

 

 2005年より全国政協外事委副主任、中国人民大学新聞学院院長。

 

人民中国インターネット版 2009年2月13日

 

 

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