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日本語弁論大会主催の大中物産コミュニケーションで相互理解促進を

 

王衆一=文・写真

弁論大会でスピーチする大中物産株式会社の河窪博史社長
中日国民交流友好年である今年の4月、「2012年大中物産杯日本語弁論大会」が北京の中国伝媒大学で行われ、北京や天津の大学から参加した選手たちが、レベルの高い日本語表現力を競った。

さて、大中物産が日本語弁論大会を主催するようになったのは理由がある。同社は、1947年に石炭製品の販売を行う商社として誕生した。その後、ガソリン・重油など石油製品の販売を始め、生コン・セメント、鉄鋼製品の販売へと業容を拡大した。現在では、環境リサイクル分野へも進出し、産業廃棄物の有効利用を提案している。

一見、中国での日本語弁論大会とは関連が薄い印象だが、実は87年という早い時期から中国貿易に関わってきた実績を持つ。88年には商社として初めて日本の高炉メーカーに中国産コークスを提供した。山西省からのコークス輸送は、当時としては画期的な出来事だった。その後、中国との貿易分野を拡大、96年に北京事務所を創設した。しかし、取引の拡大に伴って現地の人々との間に、歴史、文化の相違による誤解と摩擦もしばしば起こるようになった。

7年前、河窪博史氏が代表取締役社長に就任した頃は、いわゆる「政冷経熱」現象が中日間に横たわっていた。河窪社長は、これと大中物産が直面していた問題とを考え合わせ、将来の発展にコミュニケーションの改善は不可欠と判断し、誤解と違和感の壁を乗り越えるために何か行動しようと決意した。

そんな折、河窪社長は中国の事情に非常に詳しい東京都日中友好協会の西園寺一晃氏に出会い、同氏を大中物産のアドバイザーとして迎えた。そして、コミュニケーションの意義をよく知る西園寺氏が提案したのが、日本語弁論大会だったのだ。

こうして2007年より毎年、中国伝媒大学で日本語弁論大会が開催されるようになり、今年で第六回目を数える。

この大会は、中国の若い人たちに日本をよく知ってもらいたい、中日関係と両国の未来について真剣に考えてほしい、日本語を学ぶ若者を応援したいとの気持ちからスタートしたものだが、北京、天津などで日本語を学ぶ学生にとっても絶好の刺激とチャンスとなり、参加経験者はみな立派な社会人に成長しつつある。中日国民交流友好年となる今年、審査委員会は新たに特別賞も設けた。

コミュニケーションは双方向性が重要という信念を持つ河窪社長は、毎年本戦第3位までの入賞者を日本に招待し、各地を見学してもらうと同時に、大中物産の社員たちとの懇親会も催している。中国の若者の本音、中国人の考え方を社員たちに理解してもらうためだ。これによって、草の根のレベルの相互理解が促進され、本来の事業にも好影響が出ているという。

現在、大中物産の中国関連の取扱いは、コークス・石炭を中心として黒鉛電極・合金鉄・ドロマイト・土壌黒鉛・スクラップ・古紙などに及び、品目、数量ともに拡大している。また、中国国内の水力発電プロジェクトによる温室効果ガス排出権取引への参画や、中国農業の高度化に貢献する自走式農薬噴霧器の販売、そして中国への石炭輸出など複数のプロジェクトを進めている。

コミュニケーションの力を借りて事業の発展を推進することに成功した河窪社長は、「中国を中心とするアジアビジネスの拡大が、わが社の重要な基本方針の一つになっています。今後も積極的に中国とのビジネスを拡大、推進していきたいと思います」と、今後の事業展開に自信を見せている。

 

人民中国インターネット版 2012年8月6日

 

 

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