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中日平和友好条約35 周年記念シンポジウムが長崎で開催

呉亦為、徐静璇=文 賈秋雅=写真

7月23日、中日平和友好条約締結35周年及び長崎県日中親善協会成立40周年を記念するシンポジウム「地域間交流・民間交流で新たな日中関係創造を長崎から考える」が行われた。

シンポジウム会場

中国側からは中国外文出版発行事業局局長で新日中友好21世紀委員会中国側委員の周明偉氏、元中華人民共和国駐日本国大使、元国連事務次長で新日中友好21世紀委員会中国側委員の陳健氏が出席した。日本側からは、日本郵政株式会社取締役兼代表執行役社長で新日中友好21世紀委員会日本側座長の西室泰三氏、東京大学大学院法学政治学研究科教授で新日中友好21世紀委員会日本側委員の高原明生氏らが出席した。

また李文亮中国駐長崎総領事、中村法道長崎県知事、田上富久長崎市長のほか、国会議員や県議会議員など300人近くが出席した。

シンポジウムでは、まず陳氏と西室氏が基調講演を行った。陳氏は長崎県の長きにわたる中日関係発展への貢献を賞賛した後、中日国交正常化41年の歴史を回顧し、「平和発展、共同進歩」「優勢互補、平等互利」(良い点でお互いをおぎない合い、双方が平等に利を得る)「民間先行、以民促官」(民間が先行し、民が官をリードする)という3つの経験が中日外交の中で双方が参考に値すべきものであると述べた。

陳氏はまた、現在の中日関係に憂慮を示した。その上で、近年中日両国の間に衝突が絶えない深い背景は、中日国力対比の変化がもたらした両国関係が深く変化していることがあると指摘した。また、中国の発展は日本にとってチャンスであると強調し、日本が全面的に、客観的に、公正に、寛容に中国の発展を見て、積極的に友好的な対中政策を実施するよう希望すると述べた。また、日本側に4つの政治文書の原則的精神を遵守し、一刻も早く現在の局面を転換し、両国関係が大きな打撃を受けないよう呼びかけた。

陳氏はさらに、昨年日本政府が中国側の強い反対を顧みず、釣魚島の「国有化」に踏み切ったことが紛争の発端であり、中日関係は国交正常化以来かつてない重大な打撃を受けたと述べた。これは、中日どちらの利益にもならず、国際社会、特にアジアの近隣諸国にあまねく憂慮を与えるもので、両国各界の有識者が手を携えて中日関係の改善と発展のために絶えずプラス・エネルギーを蓄積することを希望すると述べた。

新日中友好21世紀委員会日本側座長の西室泰三氏

新日中友好21世紀委員会中国側委員の陳健元中国駐日大使

 新日中友好21世紀委員会中国側委員の周明偉中国外文局局長

西室氏は、現在の両国関係は多くの問題に直面しており、これらの問題が両国間に横たわる壁のように双方の正常な交流をさまたげていることを指摘した。しかし、こうした時期こそ、ますます交流によって相互理解を積み重ね、両国の戦略的互恵関係を実現しなければならないと述べた。

西室氏はまた、長崎がこの困難な局面にあって盛んな勢いで中国との各種交流を展開していることを取り上げ、両国の他の地域も長崎を手本に、地域間と民間交流を原点に両国関係の改善に努力すべきだと述べた。

続けて、中日双方の委員と李総領事、中村知事らが中日交流の拡大と両国国民感情の改善などの問題について討論を行った。

周委員は、中日の一衣帯水の独特な地理関係は両国関係の発展にプラスになるべきだと述べた。また、より多くの新鮮な血液が中日交流事業に注入されてほしいという希望を明らかにした。現在、中日交流事業に携わる人は若い力が不足している点を指摘、中日国交正常化後の約40年は、多くの日本の「旧友」たちが協力、支持してきたが、未来を望むと多くの「新しい友人」の加入が必要だ。若者の加入がなければ、中日関係の未来はさらにぜい弱となるリスクに直面することになると指摘した。

周委員はまた、現在両国国民感情に影響し、両国関係の政治的基礎を破壊している最大の要素は歴史問題と領土問題であると主張した。また、メディアが、中日関係が健康的に発展する中で負うべき責任があるとの考えを明らかにした。現在はニューメディアが急速に発展する時代であり、メディアに社会的責任感が欠如すれば、大衆に向けて一面的で不完全な情報を伝え、直接的に民衆の事件に対する判断に影響してしまう。こうした現象は中日関係の報道の中にも見うけられる。メディアが国民感情改善の中でプラス・エネルギーを発揮し、民衆の理性的思考をリードすることを希望すると述べた。

双方は同時に、歴史と領土問題における政治家の責任ある言論を呼びかけた。討論に参加した代表は、同時に両国の青少年交流を引き続き行うこと、すみやかに次世代に両国友好関係の重責を担わせ、中日両国政府が双方の国民にお互いの国家が提供する便宜を体験し感じさせることを希望することで意見の一致を見た。

 

人民中国インターネット版 2013年7月24日

 

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