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炎黄芸術館の民間芸術品、日本初上陸

 

 

開幕式前のリハーサルを行う韓非子劇社の団員

北京の炎黄芸術館が所蔵する民間芸術品の展示「暮らしのなかの造形—中国・民間芸術のかたちと祈り」が、5月21日から千葉県市原市の市原湖畔美術館で行われている。炎黄芸術館の民間芸術コレクションが日本で展示されるのは今回が初めて。

 

 馮真・中央美術学院教授(左)と、展覧会の全面協力を行ったアートディレクターの北川フラム氏

炎黄芸術館は中国画が中心の美術館だが、美術家で民間芸術研究者の馮真・中央美術学院教授が1980年代、東北地方の農村地域を中心に収集した民間芸術品が約1000点収蔵されており、今回はそのコレクションの中から厳選した300点が展示される。

 

開幕式では、皮影戯(影絵)とパペット(人形劇)上演のために来日した韓非子劇社の団員たちも総出で水餃子を手作りし、来場者を迎えた

開幕式に来場した子供たちにパペットの手ほどきをし中国民間芸術の一端を伝えた 

中国の芸術品というと、書画や陶磁器、玉器などの「芸術作品」を思い浮かべがちだが、民間芸術は、剪紙(切り絵)や農民画、刺繍靴、中国結などの、中国の大地に暮らす庶民の手で日常生活の中から生まれたもの。中国ではこれも芸術品として認知され、素朴な魅力が人気を呼んでいる。身近な動植物、風俗習慣など、土地土地の生活に寄り添ったモチーフが豊かな色彩で表現され、大人でも心が踊るかわいらしさをたたえているが、単に装飾としてだけでなく、魔除けや子孫繁栄などの祈りもこめられており、作品の造形一点一点に何らかの意味合いがあることが非常に興味深い。

 

演目終了後、来場者には手作りギョウザが振る舞われた。炎黄芸術館のスタッフが鍋につきっきりで餃子をゆでる

 ゆでたての水餃子は来場者に大好評。本場の味を楽しんだ

本展では展示に加え、民間芸術の研究やイベント企画にも力を入れており、中国の民間芸術の魅力をあますことなく味わうことができる。特に来場者にとって魅力的なのはパフォーマンスや数々のワークショップ。皮影戯(影絵)、風箏(中国凧)、香包(匂い袋)、泥人形など、7種類の民間工芸品のワークショップが予定されており、中国から来日した職人に実際に手ほどきを受けることができるイベントもある。参観ついでに自分の作品を持ち帰れるのは、工芸品好きにとっては二重に嬉しい企画だろう。展示概要は以下のとおりだが、ワークショップなどの詳細は美術館ウェブサイトにて確認のこと。

 

 

展示概要

日時 2016年5月21日〜7月3日

場所 市原湖畔美術館(千葉県市原市不入75−1)

開館時間 平日10:00〜17:00、日曜9:30〜18:00(最終入館は閉館時間30分前)

休館日 月曜日(祝日の場合は翌平日)

入館料 一般600円(500円)、大高生・シニア(65歳以上)500円(400円)、中学生以下・障害者手帳所有および介添者(1名まで)無料

*()内は20名以上の団体料金

 

美術館ウェブサイト

 http://lsm-ichihara.jp/exhibition/chinesefolkart

 イベント・ワークショップ詳細

 http://lsm-ichihara.jp/event/201605

 

 

人民中国インターネット版 2016年5月25日

 

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