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「違い」を知って縮める心の距離
中日学生が討論会

 

取材=阿羅美奈子

6月23日、東京学芸大学教育学部2年生約30名が中国語授業の一環として、中国人学生や中国留学経験のある日本人をゲストに招き、両国の違いを主なテーマに中日討論会を開催した。討論会では学生が5つのグループに分かれ、各グループに2人ずつ中国人や中国留学経験のある日本人が加わり、食文化や恋愛事情、ウイーチャットとLINEに代表されるメッセージアプリの違いなど、身近な話題を中心に両国の「違い」を見つけ、相互理解を深めた。

スマホで検索した画面で、日本では見られない中国の食材を日本人学生に教える徐姝瑞さん(左)

青海省出身の趙瑋さん(中央)の、故郷の有名なコスモスについて「きれいだけど、そこら中に咲いているので花粉症の人も多いんです」との言葉に、中国でも同様の悩みがあることを知り、日本人学生たちからは同調の笑みがこぼれた

 

両国学生の意識で違いが最も大きかったのは、電子マネーとの付き合い方だった。中国では食事の割り勘にまでモバイル決済が浸透していることについて、中国人留学生の徐姝瑞さんは、現金をやりとりするより、QRコードにスマホをかざすだけで支払いが終わるモバイル決済の便利さを説明したが、日本人学生からは大村まどかさんの「現金の方が目に見えるから安心する。財布を開けてお金がなければ、使いすぎたことがわかる」という意見に代表される、現金の「見える安心」を強調する意見が目立ち、現金主義と言われる日本社会を反映していた。

各グループの発表を真剣に聴く学生たち
 

学生たちが最も興味を示したテーマは「人との距離感」だった。中国人は触れ合いを大切にするという留学生の説明を聞き、「だから中国人留学生はハグが好きなんだ」と納得する日本人学生や、中国人学生の「日本語は敬語が多くて距離感を感じる」という相談に、「敬語をちょっと崩すことで、心の距離が縮まるよ」と日本人学生がアドバイスするなど、日常感じる素朴な疑問の解決に、教室内は大きな盛り上がりを見せた。

中日の女性の違いについて、デートの待ち合わせに遅れてくる時間と態度を例に挙げて説明する両国の学生たち

 学生たちと討論に参加し、議論を盛り上げる中国語教員の佐々木先生

 

会話がはずむに従い、日本人学生からは中国に関する素朴な疑問や中国語の学習方法の相談などの、日ごろ聞く機会がない質問が多く寄せられ、一方の中国人参加者は自らの故郷の紹介や日本に来て驚いたことなどの実体験を語るなどで大いに盛り上がり、授業終了後には連絡先を交換しあったり、サークルに誘う姿などが教室のそこここで見られた。身近な話題から互いを理解し、心の距離を縮めようという当初の目的は、十分達成できたようだ。

多くのグループが、中国で広く使われているウイーチャットは、既読マークが付かず、スタンプも無料でLINEより魅力的と発表した

 

 

人民中国インターネット版  2017年7月13日

 

 

 

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