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何香凝の秀作を上野と母校で展示

文・写真=阿羅美奈子 

作品画像提供=日中友好協会 

 

「獅」(1914年作) 彩色絹本

 

孫文の片腕と言われた廖仲愷の妻で、自らも革命に身を投じる一方、日本の女子美術学校(現在の女子美術大学)で絵画を学び、数多くの優れた作品を世に送り出した画家の何香凝の作品を展示する「何香凝芸術名作展」の開幕式が、9月5日に東京の上野の森美術館で行われ、作品40点とその生涯を紹介する貴重な写真が展示された。

 

開幕式終了後、作品について説明を受ける来賓

 

何香凝(1878−1972)は香港生まれで、本籍は広東省南海県棉村。政治活動家として、また優れた芸術家として中国国内で大きな賞賛を集めている。1903年に夫と共に日本に渡り、1905年に中国同盟会に加入して中国の民主革命に尽力、新中国設立後は中央人民政府委員会委員など多くの要職を歴任した。息子の廖承志氏は、中日友好協会の会長をつとめ、両国友好に大きく貢献した人物として知られている。

 

「高松立海隅」(1960年作) 彩色紙本

 

芸術家としての画歴も日本から始まった。1909年、日本女子美術学校に入学後は端館紫川に師事して山水花卉を学ぶ一方、皇室画家の田中頼璋のもとで獅子や虎などの動物画の研鑽を積み、伝統的な中国画の技巧に日本画の技法を組み入れ、単なる写生にとどまらない独自の作風を生み出した。特に獅子や虎、馬などの生き生きとした動物の描写には、中国革命への激しい闘志が凝縮されているとの評価が高い。

 

「虎」(1910年作) 水墨絹本

 

開幕式に出席した日中友好協会会長の丹羽宇一郎氏は、「何香凝の原籍がある広東省深圳市には、中国初となる個人の名を冠した『何香凝美術館』がある」と何香凝の絵画が中国でも高い評価を受けていることを紹介し、「日本初の本格的な作品展であり、ぜひ多くの方に観賞して欲しい」と呼びかけた。

 

開幕式であいさつをする丹羽宇一郎日中友好協会会長

 

 

何香凝芸術作品展

 

会期 2017年9月6日〜9月15日

会場 上野の森美術館

 

会期 2017年9月19日〜9月29日

会場 女子美術大学美術館

 

 

 

人民中国インターネット版  2017年9月12日

 

 

 

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