チベット観光での要注意事項

 

青蔵鉄道の開通にともなって、チベット観光もブームとなると見られている。さて、この神秘的でユニークな高原への旅立ちの前に、まずいつくかの要注意事項を頭に入れておかなければならない。

 

礼儀の面での要注意事項

 

お寺への観光は、チベット文化に触れるうえでの欠かせないもの。チベット仏教の習俗では、仏像を拝むことやお寺に詣でるときは、必ず右回りに歩くことになっている。ところが、ホン教というチベットの原始的な宗教のしきたりでは、「転経」(経文を書いた筒状のものを回しながら寺院の回廊を回る)の際には、必ず左回りに歩かなければならない。

 

観光客たちは、お寺に詣でる前に、ニンニクを食べることは禁物。「お寺が火災になっても、ニンニクを食べた人をも中に入れない」と言われているように、チベットの宗教の慣習では、ニンニクは絶対の禁物である。

 

観光客たちは、帽子をかぶらないで仏殿に入ったほうが礼儀正しいと思われる。許可がなければ、写真を撮ったり、録画をしたりしてはならない。

 

チベットでは、「転経」をしているお年寄りたちの後に、赤いリボンで飾られているヒツジがついている光景をよく目にすることがある。これらのヒツジは「供養のためのヒツジ」と呼ばれ、その邪魔をすることは禁物である。

 

チベットの人々にとって、舌を出すことは謙虚な気持ちと相手を尊敬する気持ちの持った行為であり、合掌することは、相手に祝福の気持ちを表す意味が込められている。注意しなければならないのは、チベットの人々は、頭を他人に触られることが大嫌いということだ。

 

祝福の気持ちを込めた絹織物・ハタを贈ることは、チベットで最も重視されている礼儀作法である。情熱的なチベットの人たちにハタを贈られた場合、必ずお辞儀をしながらいただくこと。チベットの人たちの家を訪れるとき、敷居を踏まないように注意すること。相手の名前を呼ぶとき、尊敬の意を表すため、名前の後に「ら」の音を付け加えたほうがよい。座るときは、あぐらをかいてもいいが、足を伸ばして足の裏を相手に向けることは絶対に避けること。

 

高山病予防のための要注意事項

 

海抜3000メートル以上の地域で、酸欠による「高山病」を予防するため、下記のことを注意していただきたい。

 

1) チベット入りの数日前から、十分休憩を取り、激しい運動を避けること。

 

2) チベットに到着したあと、重い荷物を提げることや走ることは避けるべきで、到着後の初日は必ず休みを取り、人と面会することや宴会に参加すること、見物に出かけることなどは避けたほうがよい。

 

また、高山病、車酔い、肌のあかぎれ、ビタミン不足、風邪、下痢などの予防・治療薬を常備することが必要。

 

その他の要注意事項

 

1) 現金を十分に持参すること。チベットでは、ラサ市のほか、ほとんどの地域ではクレジットカードの利用は不可能だから。

 

2) カメラ、ビデオカメラ、双眼鏡などの故障を予防するため、十分な防湿や保温の措置が必要である。

 

3) 雨具、紫外線防止用具、蚊除けの薬、厚めのコートなどが必要。チベットの夏には、昼は暑気にあたりやすく、早朝と夜は温度が低いため、温度の変化によって衣服を調整することが必要である。

 

「チャイナネット」 2007年12月21日

 

 

 
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