花嫁だけが南京に:たった一人の婚礼


5月16日夜、花嫁の邱媛媛は結婚披露宴の場でお客を迎えた。そばには新郎、饒新との結婚写真が置いてある。南京の金陵飯店の披露宴に参加したお客たちは花嫁1人しかそこにいないことに驚愕した。花嫁は「花婿は千キロも離れた地震被災地の第一線にいます!」と告げた。

 

披露宴の日取りは数ヶ月も前に決まったものだったが、花婿は軍部の上尉パイロットで、15日の早朝6時に命令を受け、被災地へむかった。

 

 

邱媛媛は双方の両親の賛成を取り付け、日取りのとおりに披露宴を行った。結婚式では、饒新の母親が彼女の指に婚約指輪をはめた。饒新の父は、「息子はみなさんに挨拶のお酒をお酌できませんが、みなさん、被災地の人々に関心と愛を送りましょう!」とスピーチをした。饒新の上司は「主役の1人が参加できなくて残念ではありますが、結婚はさらに神聖なるものになりました。私たちは被災地の人々が災難をのりこえ、新たに家を築くことを共に祈りましょう!」と言う。 

 

邱媛媛は嗚咽しながら「軍属となったのですから、犠牲を払う覚悟がいります。私は彼が必要ですが、被災地の人々はもっと彼が必要なのです」。言葉の一つ一つに気持がこもり、来客たちは熱烈な拍手をした。

 

披露宴の最高潮は募金となった。饒新と2組の両親は計2万元の来客からの祝い金を、金陵飯店は8万元近くの披露宴費用を、結婚行業協会は3万元を寄付した。

 

人民中国インターネット版 2008年5月19日

 

 
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