中日の医師が力を合わせる

 

日本の医療チームは、華西病院の日常の医療活動をサポートする形で、医療援助を行った。23人の隊員は4つのグループに分けられ、救急外来、透析、ICU、産婦人科・小児科に配属された。医者は救急外来11人、透析2人、ICU2人、産婦人科・小児科2人という配分だった。

 

5月22日、日本の医療チームは華西病院で医療活動を始めた 中日両国の医師が協力して患者の診断にあたった

 

通訳は5、6人いたが、医学に詳しい人は2人しかいない。そのほかは、日本語学科の学生ボランティアだ。そのため、中日の医師は英語か筆談で交流することが多かった。

 

5月30日、都江堰から竇子清さん(83歳)が運ばれてきた。家族によると、竇さんは地震が発生したときにレンガに打たれたが、そのときは体に支障がなかったため、病院に行かなかった。しかしだんだんと体調が悪くなり、歩くこともできなくなった。野戦病院の医師に見てもらった結果、華西病院に転院することが決まった。

 

中国人の若い当番医師はまず、患者の腕を軽く上げ、「こぶしを握って」と声をかけて、脊椎の損傷の有無を確認した。そして、患者の腹部を軽く押しながら、「痛いか」と尋ね、患部を確認した。日本人の打出啓二医師は当番医師の診断ぶりを見ながら、小さな声でそばにいる通訳に聞いたりしていた。

 

当番医師の診断が終わった後、打出医師は聴診器をかけて患者の胸部の音を聞き、腹部を軽く押しながら「トンブトン? トンブトン?」と尋ねた。これは中国語の「痛いか」という意味で、打出医師がよく使う中国語の単語のひとつだった。

打出医師はその後、「便はあるか」と通訳を通じて患者に尋ねた。家族が「最近4日で1回しかない」と答えると、打出医師はしばらく考え、中国人の当番医師に「先生はどう思うか」と尋ねた。当番医師は通訳を通じて、「脊椎の損傷はないと思う。普通の打撲でしょう」と答えた。打出医師はうなずいて、「便がないから、念のために、内臓の損傷の有無も確認しよう」と言った。

 

こういった形の協力診断は、日本の医療チームが滞在している間、毎日行われていた。日本人の医師は細かいことにまで気を配り、患者に対する配慮がより行き届いているという。

 

 

 
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