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インタビュー 中国の特色ある選手村に

 

世界からやってくるアスリートたちが入居するオリンピック選手村はどのような場所になるのか。北京オリンピックの選手村の副部長に就任した卓球の元世界チャンピオン、鄧亜萍さんに話を聞いた。

——オリンピック選手村は現在、どのような状況ですか。

鄧亜萍さん(以下鄧と略す) オリンピック選手村は競技施設ではありませんが、選手たちが集まる最大の施設だといえます。敷地面積は66ヘクタール、42棟が居住用に使われます。そのほかに娯楽施設や商業施設などがあります。オリンピックのときには、15000人の選手と、コーチ、随行員ら全部で16000人がここに住みます。

全体的な考えでは、選手村は「人間本位」と「節約」の原則を具体化し、できる限り選手たちに居心地のよい環境を提供し、リラックスできるようにしています。例えば、無料のネットカフェやゲーム室、ジムを設けたり、毎晩、催し物を開催したりして、誰もが参加し、観賞できるようにしています。選手たちはここできっと、自分のほしいものや必要なものを探し当てることができるでしょう。

——食品の安全問題は、誰もが非常に関心を持っていますが、選手村ではどのような対策をとっていますか。

鄧 北京オリンピック組織委員会と北京市は、食品の安全問題に大変力を入れて注意を払って来ました。食品がどこでつくられたかから始まって、流通の節目節目で、細かいところまで気を配っています。だからどうぞご安心ください。私たちの食品は現在、もっとも厳しい監督とコントロールを受けています。

私たちが提供する食品の種類は、オリンピックの慣例に照らして、70%が洋食、30%がアジアの料理です。アジアの料理の中には、日本料理、韓国料理のようなさまざまな味があります。さらに中国の特色ある料理、その中にはイスラムの料理も含まれています。

——選手村に商店街を設けたのは、どういう考えからですか。

鄧 選手たちが便利に買い物ができるようにするためです。なぜなら選手たちが北京に滞在する時間はけっして長くはありません。また主に住居と食堂、競技会場の3つの地点を結ぶ線を繰り返し移動するだけです。多くの選手たちは、次に他の試合が控えているので、試合が終わればすぐ帰ってしまいます。

だから選手村の商店街は、選手たちに日用品を提供するだけでなく、オリンピックのライセンスグッズも提供します。例えば、オリンピックのマスコット「福娃」やオリンピックの記念品を買おうと思えば、ここで買うことができます。そうでないと、街へ買いに行かなければなりません。このほか、銀行や郵便局、美容・理容店などのサービス施設もみなここにあります。これらはすべて、選手たちが便利なようにと設けられています。

——選手村の設計は、国際オリンピック委員会(IOC)の要求に応えるほか、どのように中国の特色を表しましたか。

鄧 選手村の主なサービスや施設の標準は、IOCが制定したものです。しかし今回のオリンピックは北京オリンピックですから、選手たちがこの選手村にやって来たとき、アテネの選手村と何も変わりないなあ、と言われたくないと思いました。

そこで、中国文化を展示することで、とりわけ手工芸品をその場で制作することによって、外国の選手たちに中国の工芸品制作を楽しんでもらおうと考えました。

このほか、ここには中国語学習センターもあります。外国の選手たちは、中国の文化を理解したり、中国の書道や芸術を知ったり、中国語を学ぶことができます。とくに面白いのは、外国の選手たちに中国語の名前を付けることもできるということです。このような小さな活動を通して、彼らに中国の思い出をたくさん作っていただきたい。これが私たちの目的です。

オリンピックは単なるスポーツの祭典ではありません。文化の祭典でもあります。6月から9月の間に、選手村では1747回も各種の公演を行います。このような文化的な催しによって、選手たちに中国文化を楽しんでいただければと考えています。

——安全面ではどのような対策をとっていますか。突発事件が発生したときの対応は?

鄧 選手村はこれまでずっと、オリンピックの安全対策において要中の要です。北京の選手村も同じです。ただし、安全のためになごやかな雰囲気が失われてはいけません。選手たちには、ここは1つの大家族のようだと感じてもらい、リラックスしてもらわなければなりません。私たちの警備隊の仕事は非常に行き届いていると思います。

——オリンピックの閉幕後、選手村はどのように利用するのですか。

鄧 選手村の宿舎はもともと「商品住宅」ですから、2年前から売り出しています。販売状況はとてもいいのですよ。

ここは立地条件がとてもよく、オリンピック森林公園もあって生態環境もすばらしい。「緑色五輪」の理念を十分に体現しています。

環境保護の面から言うと、選手村の宿舎は先進的なエコ材料を多く使用しています。例えば、省エネや環境保護のために、屋上にはソーラーパネルを設置しました。これは太陽光の移動に合わせて角度が変わるしくみになっていて、非常に先進的なものです。また、最新のエコ技術も利用しています。これらはすべて貴重なオリンピック遺産となることでしょう。

——各国の選手たちにはどのように感じてもらいたいと考えていますか。

鄧 これまでのオリンピックと同じように、北京オリンピックの目的も「安全なオリンピック」です。オリンピックを安全に挙行する中で中国文化の特色を体現し、選手たちに深い印象を残せたらと願っています。0809

 

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