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オープンウォーターのウェイデン、白血病を克服しての優勝

 

北京五輪は21日、今大会から新たな五輪種目となった男子オープンウォーターが行われた。この種目で初の金メダルを手にしたのは、白血病を克服して五輪に挑戦したオランダのマーテン・ヴァンデル・ウェイデンだった。「新華網」が伝えた。

ウェイデンは髪を剃っており、頭の両側にはオランダの略称である「NED」の文字が書かれている。だがさらによく見ると、頭のてっぺんにコインくらいの大きさの傷跡があり、話をしたり呼吸をしたりするたびに動くのがわかる。これはウェイデンが白血病克服のために化学療法と骨髄移植をした痕跡だ。

ウェイデンは10代でその水泳の才能を示した。1999年の欧州ユース選手権と2000年のオープンウォーター選手権にも出場し、全ては順調に進んでいた。ウェイデンが自らの方向をオープンウォーターと定めたのは、この種目では他の競泳種目のようなコースの区切りがなく、「みんな一緒になって社交活動をしているよう」だからだという。

だが01年、20歳のウェイデンは白血病と診断される。水泳選手としての生涯も終わったかに思えた。「病院で横になって病気の痛みに耐えている間は、来月のことも、来週のことも、数時間後のことだって考えられなくなってしまう」。ウェイデンは試合後、当時の病気の苦しみをこう振り返った。幸運にも骨髄幹細胞の移植を受けることができたウェイデンは、手術も成功し、選手としても復帰。ウェイデンは現在、公益活動に熱心に取り組み、なかでも抗がん関連の活動には多くの心血を注いできた。

病床から試合会場に復帰した後、ウェイデンの泳ぎにはさらにみがきがかかった。04年の世界選手権ではオープンウォーター25キロで7位に入賞。05年と06年には6位となり、スペインのセビリアで行われた今年の世界選手権ではついに優勝を果たした。10キロは専門ではないが、その世界ランキングも7位から4位に上がった。「白血病が教えてくれたのは、何でも一歩一歩やっていかなければならないということ、我慢強さが必要ということだ」と不屈のウェイデンは語る。

 

 「人民網日本語版」2008年8月21日

 

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