改革開放30年の中国の変化――日本アニメ篇

 

改革開放後、中国は自国のアニメ産業の発展に尽力するとともに、海外からも数多くの優れたアニメ作品を受け入れた。中でも日本アニメは誰もがよく知る存在だ。

「鉄腕アトム」

 

中国が正式に輸入した最初の海外テレビアニメ。日本マンガ界の巨匠、手塚治虫の古典的名作で、「鉄腕アトム」がテレビアニメの輸入に先鞭をつけたその意義には、当初より作品そのものを超えるものがあった。「鉄腕アトム」によって中国の視聴者は大いに視野を広げ、日本や欧米のアニメが続々と輸入されるようになった。中国人が日本アニメの驚くべき魅力を初めて深く体験したのもこの作品だ。

「一休さん」

聡明な一休さんが自らの機転と勇気で貧しい人を助け、権力を笠に人をいじめる人達をこらしめる姿は、人々に深い感銘を与えた。登場人物の個性描写の鮮やかさと哲理に満ちた感動的な物語も、同世代の子どもたちに深い影響を与えた。当時子どもたちは次々に一休さんを模範とした。「一休さん」は、わたしたちの子ども時代に数多くの温かい想い出を与えてくれた。

「花の子ルンルン」

 

中国が日本から輸入した初の美少女アニメ。中国語版のテーマ曲は現在もなお、名曲として子どもたちに歌い継がれている。

「Dr.スランプ アラレちゃん」

アラレちゃんの足跡:

 1980年1月、日本の「週刊少年ジャンプ」で本格的な連載が始まり、同年8月には単行本の第1巻も刊行された。

 1981年4月8日、日本のフジテレビ系列で毎週水曜7時~7時半にテレビ版の放送が始まり、作者の鳥山明をたちまち有名にした。1986年2月19日までの5年間にわたり計243エピソードが放送され、35%以上の高視聴率を何度も記録し、裏番組は遠く及ばない状態が続いた。当時、アニメ番組の最高視聴率を記録したのもこの作品だ。

 1993年、台湾の出版社がマンガ版全18冊を正式に輸入。

 1997年11月26日、最新のテレビ版が放送され、視聴率は当時大人気だった「名探偵コナン」に迫り、その健在ぶりを示した。

「ドラえもん」

 

海外の古いアニメで、「ドラえもん」のように現在もなお放送され、これほど高い人気が続いている作品は少ない。地方版、中央版、さらには香港の衛星テレビ版と、3種類の翻訳版に人々は混乱し、それぞれを見較べすらしているが、これらは大したことではない。みんな、変わらずにドラえもんが好きなのだ。すでに「ドラえもん」は「正統派」と認められている。ドラえもんがわたしたちの子ども時代に余りにも多くの想い出と楽しい夢をもたらしてくれたことも否定できない。四次元ポケットが欲しいと思わなかった子どもがいるだろうか?タイムマシンが欲しいと思わなかった子どもがいるだろうか?自分の部屋にどこでもドアが欲しいと思わなかった子どもがいるだろうか?タケコプターで上空から地上を見下ろしたいと思わなかった子どもがいるだろうか?「ドラえもん」のアニメは現在も制作が続き、原作の最終回についても諸説入り乱れている。「ドラえもん」がいつまでも最終回を迎えず、子ども時代に始まり、ずっと見続けてきたこの夢が、これからも続いていってほしい。長ければ長いほどいい!

「聖闘士星矢」

「聖闘士星矢」は一時代を築いた作品だ。アニメでの美しく鮮やかな聖衣、眩しいほど華麗な動作、ダイナミックな戦闘シーン、心を揺るがす感情描写は、男の子たちの熱い血を沸き立たせただけでなく、数多くの女の子たちの視線も引きつけた。決して放棄しない信念、男の血と涙の戦闘、信頼に基づく友情が、この作品をさらに高いレベルへと引き上げた。

「ドラゴンボール」

日本の人気マンガ家、鳥山明の人気作。1984年に登場し、1992年には続編も始まった。このマンガの戦闘場面と手法には息もつかせぬものがあった。わたしたちは最初、発光する大きな球、気功波が放出されるのを見た。これは学名「衝撃波」ともいい、後にはその形状もどんどん多様化していった。その強弱を判定する唯一の手段は、誰が放出した波を見るしかないのだ。すっかり夢中にさせられた!

「SLAM DUNK」

「SLAM DUNK」は、中国のバスケットボール普及に新たなピークをもたらした功労者の1人だ。当時の中高生のバスケ熱の、かなりの部分はこの作品の影響によるものだ。誰もが流川楓や桜木花道にあこがれ、バスケのテクニックに抜きん出て、人々に注目される存在になりたいと思い、日夜バスケットコートで練習に励んだ。わたしたちは、1つのアニメの成功が、子どもの人生観や価値観、さらには進む道すら変えることを目にした。バスケットボールは、この作品のおかげで、わたしたちの心の中で、人とは異なる意味を持つようになったのかもしれない!

 

「人民網日本語版」 2008年09月09日


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