パラリンピック、170万人のボランティアが活躍

 

北京パラリンピックでは170万人のボランティアが活躍した。このことは北京と中国にとってどのような意味を持っているのだろうか。

長年にわたって国内外で開かれてきた障害者スポーツ大会の経験から考えると、これらの大会の最も大きな意義は多くの人々の参加にある。人々の参加は大会の競技そのものよりもはるかに重要だ。ソウル・シドニー・アテネなどの歴代パラリンピック、神戸・北京のフェスピック(極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)、国内の歴代障害者スポーツ大会での経験も、この点を裏付けている。

1994年に行われた北京フェスピックでは3万人の青年ボランティアが募集されたが、最終的なボランティア参加者は40万人に達した。北京市民の李濤さんは当時、車いすで大会観戦に訪れた。「あの時は、競技場付近がボランティアで埋まっていた。障害者はいつでも助けを受けることができた」と当時を振り返る。

ボランティアの集まる光景は14年後、北京に戻ってきた。ボランティアは今回、競技場付近だけではなく、北京市全体をカバーした。ボランティアの人数は、フェスピックでの募集人数の57倍となる170万人にのぼった。観客席の応援ボランティアを含めれば、その数字はさらに大きくなる。

北京パラリンピックでは歴代大会を超えた情緒の豊かさがみられた。ボランティアたちが奉仕の過程で学んだのは、感動や向上心といったわかりやすい感情だけではない。170万人のボランティアたちは、障害者への理解・尊重・関心・援助という人道主義の理念を北京の隅々にまで伝えた。この理念は今後、北京市民の基本的な行動規範となっていくに違いない。

 

 「人民網日本語版」2008年9月18日

 

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