ブッシュ氏父子の目に映った中国の変遷 ――この30年間の三つの大きな変化

 

8月10日、北京五輪の中米男子バスケット戦が行われ、多くのメディア、観客は競技場でそれを観戦し、バスケット・ボール競技館には空席はなかった。写真はブッシュ・アメリカ大統領とその父の元アメリカ大統領ブッシュ氏がともに観戦しているところ

ブッシュ大統領一家はそろって北京に来られた。父のブッシュ氏はアメリカ・オリンピック代表団の名誉団長、ブッシュ大統領はアメリカ応援団のリーダーであり、きれいなお嬢さんのバーバラさんも競技場で旗を振って助勢し、一家の人たちは競技場での楽しみを満喫した。でも、アメリカのこの「ファースト・ファミリー」が北京に来たのは別にオリンピックを観戦するためという簡単なことではない。

数日前、胡錦涛中国国家主席は中南海でブッシュ大統領一家を招宴した。席上、胡錦涛主席はブッシュ大統領に、あなたが大統領に就任していらい、あわせて中国を4回も訪問し、歴代のどのアメリカ大統領をも上回り、これはあなたが中米関係の上で果たした重要な役割を物語るものであると語った。

もし私達が時計の針を逆の方向に34年間まわすならば、その時中米両国はまだ国交を樹立しておらず、ブッシュ大統領の父はアメリカ駐中国事務所所長であった。父のブッシュ氏がこのほど発表した『中国についての日記』によると、彼とブッシュ大統領の母親のバーバラ夫人は1974年から1975年にかけて中国に14カ月住んでいた。当時、中国はまだ「文化大革命」の末期にあり、父のブッシュ氏はいつも中国政府の高官と面会するわけにはいかず、ご夫妻は多くの時間をかけて自転車に乗って北京の路地を見て回り、中国の一般の市民たちの暮らしぶりを知ることに努めた。父のブッシュ氏はこの間、北京でインタビューを受けた際に『ワシントン・ポスト』の記者に、当時、二人にとっては毎日新たな発見があったと語った。

父のブッシュ氏は間もなく北京を離れ、アメリカに戻ってCIAのトップとなった時、鄧小平氏は彼のために人民大会堂で宴を設けて歓送し、そして父のブッシュ氏に、北京での滞在期間にずっと私を監視してきたのではないかとジョークを述べた。父のブッシュ氏は日記の中で、その時、北京駐在のその他の外交官はこのために「ねたみの気持ちを胸中に秘めていた」、鄧小平氏は彼らが会おうとしても会えない中国の指導者であったからであったと書いている。しかし、父のブッシュ氏はさらに次のように語った。彼が大統領に就任した後、時には中国の指導者に電話をかけたいと思ったが、非常に難しかった。「今日は昔と比べられないくらいである。現在、胡錦涛主席とブッシュ大統領は常に電話で話し合っている。これは以前では不可能のことである。これはきわめて大きな変化である。」

父のブッシュ氏はまた『ワシントン・ポスト』の記者に次のように語った。中国人民がいま享有している自由と人権は、私が駐中国外交官であった時と比べものにならない。中国政府に不満を抱えている一部の人たちがこれらの成果に対し見て見ぬふりをすることは正しくない。何人かの人たちがオリンピックを妨害しようと思っているが、「私はそういう人たちにそれほど同情してはいない。あなたがまだメディアのあおり立ての宣伝を覚えているかどうかは知らないが、彼らは大統領が必ずオリンピックの開幕式をボイコットしなければならないと述べた。ブッシュ大統領が開幕式に出席する決定を行ったことは、とりもなおさずそのような姿勢への不満の現れである。」アメリカ・オリンピック代表団の名誉団長として、父のブッシュ氏が北京に来たことはとりもなおさず中国のこれまで30年余りの期間にあげた成果に対する「認知」でもある。

両親が中国で外交官を務めていた時、現大統領のブッシュ氏はかつて北京に来て両親を訪ね、同じように自転車に乗って北京の大通りや路地を走り回った。このほど、アメリカNBCスポーツ記者の取材を受けた際、ブッシュ大統領は、過去を振り返り、今日を見て、中国の「変化は不思議である」と語った。自分がなぜ北京に来てオリンピック開幕式に出席するのかということにふれた際、ブッシュ大統領は、自分が北京に来てアメリカチームを応援するためだけではなく、また米中両国間の建設的な関係を深めるためであり、中国は朝鮮半島危機とイラン危機およびダルフル危機などの問題を処理する面で、いずれもきわめて大きな役割を果たしていると語った。

ブッシュ氏父子にとって、中国のここ30年余りのきわめて大きな変化は主に以下の3つの面に現れれている。一、経済の成長が中国人民の生活レベルを高め、中国の人権状況と個人の自由を改善した。二、中国のトップは更に見識があり、開放的で、人なつっこくて親しみやすく、異なった意見を尊重するようになった。三、中米両国の世界的範囲での戦略的利益と経済利益はますます接近し、利益相関度の深さは一方が損なわれれば双方とも損なわれ、一方が発展、繁栄すれば、双方とも発展、繁栄することになるものと言える。

もちろん、これは決してブッシュ大統領が完全に中国の政治的施策に賛成していることを意味しない。ブッシュ大統領は北京に到着する前、かつてバンコクで中国のいくつかの国内政策を批判した。中国外交部はその後、ブッシュ氏の演説は中国の内政に容認することのできない干渉であると表明した。父のブッシュ氏が言っているように、その他の国のトップと個人的友情を確立することは非常に重要なことで、このような個人の間の友情をこれらのトップのすべての方針と政策を支持すると見なし得ないにもかかわらずそう言える、というのである。

その実、ブッシュ氏父子の目に映った中国の変化(国力が強大になった)と変わっていないものは、ほかでもなく中国と西側の間に現在矛盾を生み出し、将来衝突をもきたすかもしれない主要な焦点である。幸いにブッシュ大統領も、「ただ中国だけが自分たちがどのような道を歩むかを決定することができるのだ」と見ている。(劉亜偉 アメリカ・パリミト学院助教授)

 

「チャイナネット」 2008年8月15日

 

 


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