外国人の目に映る中国像とは

 

悠久の歴史を誇る中国、開放された現代的な中国、広大かつ神秘に満ちた中国、急速な経済成長を続ける中国――中国国民ひとりひとりの心の中の祖国は、きっとさまざまな姿であるに違いない。ならば他の国々の人々にとって、この長い歴史を持つ東洋の国は、実際のところどのようなイメージを持たれているのだろうか?

「中国」と問われたとき、真っ先に脳裏に浮かぶのは何か? 中国に対し、彼らはどのようなことを理解し、あるいは認識上の隔たり、ひいては誤解を抱いているのだろうか? 北京五輪閉幕後、世界五大陸の友人達の目に映る「中国に対するイメージ」に変化はあったのだろうか?

「世界の中での中国像」大型調査報告会がこのほど北京で行われた。調査の結果、北京五輪の開催により、世界中の人々の中国に対するイメージには、まさに天地が覆されるほどの変化があったことが明らかになった。

今回の調査は国内マーケティング会社の数字一百市場研究公司(数字100)が担当、街頭質問とオンライン調査を組み合わせた形式により行われた。主な調査対象となったのは、北京五輪開催期間中に中国を訪れた外国人で、その出身国家は欧州・北米・アジア・アフリカ・中南米などの20数カ国に達した。調査対象には観光客のほか、一部海外メディアスタッフも含まれ、多様な地域の、多様な人々に対して調査が進められた。調査アンケートの内容は、中国に対する印象、中国文化への理解度、中国経済に対するイメージなどだった。

▽「東洋の神秘」から「開放された現代国家」へ

調査によると、中国訪問を前に、多くの外国人の中国に対するイメージは主に「神秘的」「悠久」「歴史ある東洋の国」であり、このような認識は主に自国でのテレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのメディア、および中国に関する書籍、あるいは人からの聞き伝えなどにより得られたもので、なかでもメディアから受けた影響は非常に大きかったようだ。北京五輪期間中、多くの外国人が自身の目で中国を目の当たりにし、現代の北京の姿を見た後、その印象はまさしく180度の大変貌を遂げたようだ。

百聞は一見にしかず。多くの外国人は中国の一般大衆が未だ立ち後れた生活を送っていると認識していたようだ。しかし彼らは中国来訪後、中国国民の生活水準が非常に高まっていることに深く印象を受けた。中国の人々の衣食住を実際に自身の目で見た結果、中国国民の安定した生活・経済、調和の取れた社会構造に、今回中国を初めて訪れた外国人は強い印象を受けた。

また、現代的な五輪各競技場、さらには成功裏に閉幕した北京五輪の運営もまた、外国人に対して中国の大きな進歩を印象付けた。調査の結果、中国に対して偏見を抱く一部のメディアを含む実に多くの海外メディアが、「輝かしい」「すばらしい」などの肯定的な言葉で中国を表現した。多くの外国人にとって、北京五輪は近代化した中国がまさに完ぺきなほどまでに体現化された舞台となった。

北京五輪はさらに、中国国民の品格を映す鏡ともなった。多くの外国人は五輪ボランティアらが提供したサービスに高い評価を与えた。北京市民の品格、開催都市住民としての友情や熱意もまた、多くの外国人にとって「想像をはるかに上回る」ものであり、「その熱意に心を打たれた」と答えた外国人も少なくない。彼らの中国、さらには中国人に対する印象は、ハード面のみならず、ソフト面や相互交流から得られたものとなった。

中国文化の源流ははるか古代にさかのぼる。北京五輪開幕式での素晴らしい演出は、中国文化に対する理解の絶好の機会となった。もっとも今回の調査の結果、外国人の中国文化に対する認識は未だ底浅い水準にとどまっている。彼らの中国・中国人に対する理解度は、中国人の欧米に対する理解度には遠く及ばない。

「中国を最も代表する事物」との質問に対して、外国人の回答のうち最も多かったのが「万里の長城」「中国拳法」「中華料理」であった。うち、「万里の長城」の回答率が最も高く、21%を占めた。また、ハリウッド映画の影響か、多くの外国人の「中国拳法」に対する印象も根強く、中国来訪前、中国人なら誰もが「中国拳法」が出来ると思っていた外国人は少なくなかったようだ。また今回の調査を受けた中国人は、中国を最も代表するものとして「四大発明」を挙げた人が33%にも達した。一方、多くの外国人は「四大発明」のことを知らず、「四大発明」を回答した外国人はわずか6%にとどまった。このほか、「中国医学」の回答率はわずかに2%だった。

「中国を最も代表する動物」との質問では、「竜」「パンダ」が予想通り上位を占め、回答率はそれぞれ45%、42%となった。中華民族のトーテムとも言える「竜」は中国のシンボルとして不動の地位を占めている。

▽「レノボ」「中国移動」が高い知名度 「李寧」の顕著な五輪効果

数字一百市場研究公司は今回の調査で総合的な「中国評価体系」を採用し、アンケート調査の内容は、経済・環境・政治・国民品格など多岐にわたった。なかでも中国経済に対する現状認識について、非常に興味深い結果が得られた。多くの外国人は中国経済の現状に比較的高い評価を与えており、今後の発展についても明るいとの予想をしている。調査対象となった外国人の6割以上が、中国は今後20年以内に世界最大の経済大国となると考えている。

中国経済の急速な成長は、外国人の中国ブランドに対する認知度も大幅に向上させている。調査の結果、「聯想(レノボ)」「中国移動」などのブランドの外国人の間での知名度は高く、回答率はそれぞれ58%、52%にも達した。また、北京五輪期間中、スポーツブランド「李寧(リーニン)」は営業成績が最もすぐれたブランドのひとつとなり、「五輪期間中最も印象深かったブランド」で首位を占めたほか、認知度に対する印象度の高さでもトップとなった。この結果は、同ブランドの創始者である李寧氏が北京五輪で最終ランナーとして聖火の点火を行ったことと大きな関係があるとみられる。

注目に値するのは、急速な成長を続ける中国だが、アンケート調査に回答した外国人のうち64%が、中国経済の発展には環境問題などの代償が伴っていると認識していることだ。中国は現在、環境保護の面で甚大な努力を続けているものの、肯定的な評価を幅広く得るためには、はるか長い道のりをまだまだ歩んで行かねばならない。一方、中国人を対象に行った調査では、自国経済の発展状況を楽観視する向きが多く、実に60%が、中国の経済建設は持続可能な健全かつ急速な発展プロセスにあると考えている。

 

「人民網日本語版」 2008年10月07日

 

 


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